小数点以下の熾烈な“利回り探し”——個人向け国債に勝つのは?
2016年4月26日 11:33
*11:33JST 小数点以下の熾烈な“利回り探し”——個人向け国債に勝つのは?
27-28日の日銀金融政策決定会合に市場の注目が集まっている。外国人投資家を筆頭に追加の金融緩和を実施するのではないかとの思惑が先行し、日経平均は一時17600円まで上昇した。ETF買入れ枠の拡大を指摘する市場関係者が多いなか、日銀が金融機関への貸し出しにもマイナス金利を検討との報道も先週伝わっている。
1月29日に決定したマイナス金利導入後、REIT指数が年初来高値を更新した一方、銀行株が下げ基調を強めたほか、円高、資源価格安など外部環境の悪化も加わり、2月には日経平均が15000円、TOPIXは1200pをそれぞれ割り込む場面が見られた。マイナス金利の経済効果は未知数な部分が多いなか、導入から3ヶ月間は比較的悪い印象があると言えよう。
ただ、マイナス金利導入によって住宅ローン金利は軒並み低下した。日銀が21日に発表した4月の主要銀行貸し出し動向アンケート調査によると、1-3月期の資金需要の強弱を示す指数(判断DI)は個人向けが+9と、1月に実施した前回調査から10ポイントも上昇した。マイナス金利導入によって住宅ローン金利が引き下げられたことから借り換えが大幅に増加したことが影響している。普通預金の金利が下がった以上に住宅ローン金利が低下したことから、マイナス金利の恩恵を享受できている世帯も少なからずあろう。
また、普通預金の金利が軒並み0.001%とほぼゼロに等しい水準まで低下したことで、足元では個人向け国債のニーズが高まっているようだ。民間の金融機関に目を向けてみると、楽天証券では楽天銀行といっしょに口座をつくると、楽天銀行の“普通”預金金利が0.1%(通常0.02%の5倍)になるほか、“定期”預金ではオリックス銀行が年率0.2%を付与するなど結構高い金利を設定する金融機関は存在している。1000万円では年率0.001%だと利息は100円だが、0.1%だと10000円。0.2%だと20000円となる(税金は無視)。株などリスク性の高い金融商品に回せない資金は、家庭の金庫で眠らせること(利息ゼロ)なく、こうした金融機関を利用し少しでも金利を付けていった方がお得と言えよう。《MT》