会場を幕張メッセに移して2年目「Techno Frontier 2016」

2016年4月24日 18:12

 日本能率協会が主催する「Techno Frontier 2016(テクノフロンティア)」が、4月20日から3日間、千葉・幕張メッセで開催された。会場を幕張メッセに移して2回目となる今回、展示スケールは約500社、1000小間以上にのぼり、34回目を迎えた「モーター技術展」をはじめとして「メカトロニクス技術展」など11分野で展示会を行なった。エレクトロニクス、メカトロニクス分野の要素技術、製品設計を支援する最新の技術項目が一同に公開された。ソフトウェアや材料メーカーなどの基盤技術はもちろん、ワイヤレス給電やロボティクス関連技術、そしてIoTに関連した無線通信技術などの新しい技術展が一堂に会していた。

 伝統の「モーター技術展」では、電機大手の東芝や三菱電機が、自動車の電動化に伴う車載モーターの需要増加に加え、産業用モーター・ドライバーの省エネ、高効率化で注目度が高まっている分野において、高効率モーター、インバーター、そして関連半導体製品を展示した。なかでも国内省エネ法のトップランナー規制に対応した三菱電機は、モーター・ギヤードモーターをはじめとした最新の駆動制御ソリューションを紹介。電力量、漏電等の各種情報やデータを用いた予防保全、監視をデモ実演で紹介していた。

 ロームは、産業機器向けに新開発した+40V耐圧の降圧型DC-DCコンバーターモジュール「BMD4A50GSM」を展示した。インダクター(コイル)を内蔵した非絶縁タイプだ。実装面積は10mm×7.5mで「業界最小クラスを実現した」という。FA機器やロボットなどに対応する。

 同時に開催された併設展示会では、第2回「IoT Tech」や第2回「国際ドローン展」が入場客やマスコミ各社の注目を集めた。

 第2回「IoT Tech」は、いわゆる“Internet of Things(モノのインターネット)”に関するサービスや技術が紹介された展示会。IoTに関連したインフラ、機械の動作モニタリングや人の行動を監視するモニタリング、そのほかデータ収集のキーテクノロジーとなる機器、ソフトを集めた。

 アルプス電気はIoTスマートモジュールとして、低消費電力、高精度、小型のセンサ類と通信モジュールを一体化。気圧、温湿度、照度等の環境データに加え、加速度、地磁気を検知。インフラ設備のスマートメンテナンスや屋外作業者の健康管理などに向けて提案した。

 第2回目の開催となる「国際ドローン展」は、無人航空機・いわゆる「ドローン」を構成する部品、技術、ソフトウェア、撮影、無線通信など、包括的なドローンの総合展示会だ。参加企業は74社、127ブースだった。ドローンを構成する技術は、“空の産業革命”ともいわれ、物流や輸送、警備や監視、巡視や点検、脳裏偉業への応用が期待されている。ドローンの産業利用の裾野が広がるなか、空撮技術や画像やデータの処理・通信、解析などの関連技術にも注目が集まっていた。が、国際的にみてもその規制や技術的統一がまだ図られていないのが現状だ。

 今回、テクノフロンティアの一環として開催した「第2回・国際ドローン展」でドローンに関する技術的な覇権を握りたい各社が、展示やデモ飛行、シンポジウムを通じて最新のドローンに関する技術やサービスを紹介していた。最新技術展示では、ビルや障害物などを立体的に把握して、衝突事故などを回避するスラム飛行による橋梁などのインフラ点検、室内自立飛行による3次元マッピング、飛行トレーニングのためのシステムなどもあった。(編集担当:吉田恒)

関連記事

最新記事