日本電産、ルーマニアの洗濯機用モータ製造会社を買収―欧州の生産拠点に
2016年4月22日 11:44
日本電産は22日、子会社の日本電産ソーレモータが、洗濯機・乾燥機用モータの製造を手掛けるルーマニアの非公開会社ANA IMEP S.A.の株式94.8%を取得することで合意し、21日に契約を締結したと発表した。この買収によって、欧州での家電モータ事業の競争力を高められるほか、IMEP社の優良顧客が獲得できるという。
同社によると、家電用モータ事業のためにIMEP社が所有する広大な土地・建物の既存工場を活用するほか、商業・産業用モータ事業向けには新たに設備投資を行い、家電・商業・産業用モータ事業全体として最適なグローバル生産体制の構築を図る。ルーマニアはEU加盟国のなかで労働コストが低い国の一つであることから、生産拠点として活用するには最適と考えているという。
将来的には、生産拠点としてだけでなく、家電・商業・産業用モータ事業全体のエンジニアリングセンターや欧州のシェアードサービスセンター(コールセンター、経理、購買、マーケティングなど)として活用する考えもあるという。
IMEP社は設立が1967年で、2015年12月期の売上高は1,480万ユーロ(約18億3,000万円)。従業員数は288人。
日本電産は、2020年度の売上高2兆円、営業利益率15%以上、株主資本純利益率(ROE)18%以上を目標とし、家電・商業・産業用モータ事業を重要事業の一つと位置付け、強化を図っている。家電・商業・産業用モータ事業については、グローバル規模での生産最適化による低コスト・高収益体制の構築が重要と考えているという。