東大など、自閉症を高精度に判別する技術を開発

2016年4月15日 06:00

 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)や東京大学などの研究チームは、今まで根拠のある診断・治療が困難だった自閉スペクトラム症(ASD)を高精度に判別にできることに成功したことを発表した。

 ASDは、およそ100人に1人に現れる発達障害で、学校や社会で周囲との円滑なコミュニケーションを築きにくく、生活の質(QOL)の低下を招いている。

 同グループは、最先端の人工知能技術を開発して、自閉スペクトラム症(ASD)を脳回路から見分けるバイオマーカーを世界に先駆けて発見。日本の3施設データで85%、米国の公開データで75%の確率で予測することに成功した。

 現在のASDの診断は、診断に多くの時間と手間を要すること、他の発達障害や精神疾患との鑑別が難しいことなどが問題となっている。今回、少数のサンプルから高精度に判別する方法が確立されたことで、今後、疾患に特徴的な脳回路に基づいて疾患メカニズムの解明、客観性の高い臨床診断、および新規治療法開発に貢献することが期待されるという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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