2030年の東京圏の都市鉄道、答申案まとまる
2016年4月13日 19:19
space-warrior 曰く、 国交省の交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会が、2030年頃を念頭に置いた東京とその周辺における都市鉄道のあり方についての答申案をまとめた。
前回2000年の運輸政策審議会答申第18号以来となるこの答申(案)、昨年度末までには出るはずだったのだが最新の会合は年度をまたぎ、案に対してのパブリックコメントもこれから14日まで募るそうなので(募集についてのPDF文書)、本決まりまでまだしばらく時間がかかるようだ。
答申案をざっと眺めると、駅の質の向上・バリアフリーやエコデザインの深化・遅延や災害情報の見える化など、ソフトウェア寄りの分野での提言はともかく、答申で一番期待されているはずの具体的な新線や線増プロジェクトについては「鉄道事業の需給調整規定が廃止され、国がプロジェクトの進行管理をする法的根拠がなくなった」との理由で提案された構想をほぼそのまま並べてカタログにしたのみ、取捨選択も優先順位付けもしないとのこと。まだ関係者に意欲があるのか疑わしい京葉線延伸や京王線線増、エイトライナー・メトロセブンなども先の18号答申から引き続いて載ったきりで、目新しいものというとつくばエクスプレス東京延伸と都心から有明方面への地下鉄構想とをくっつけて一体で整備したらという提案くらいか。
特に空港アクセス鉄道において、押上-泉岳寺間の都心直結線を異様に推してる鉄道局自身、それに対抗しつつあわよくば五輪にかこつけられればと思って羽田新線をブチ上げたJR東日本、都心直結線は費用便益比で割に合わないという独自の試算を先に出して牽制した雰囲気の東京都、18号答申に載ってからも進展がないどころかむしろ構想が悪化してる感ある蒲蒲線が悲願の諦めの悪い大田区など、今まで以上に外野がうるさくて纏められなかったのではという気もするのだが。
しかしこの小委員会と答申の他に大所高所から首都圏の都市鉄道をグランドデザインする役目の存在はこの国にないので、そこはもう少し踏み込んでよかったのではないかな……。
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