14年度のペット関連総市場規模は前年度比1.5%増の1兆4,502億円

2016年4月13日 11:22

 矢野経済研究所では、国内のペットビジネスの調査を実施した。調査期間は2015年10月~2016年2月、調査対象はペットフードメーカー、ペット用品メーカー、卸売業者、小売業者および関連団体等。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。

 それによると、2014年度のペット関連総市場規模は、小売金額ベースで前年度比101.5%の1兆4,502 億円であった。ペット用品は伸長率が鈍化しており微増推移となったが、ペットフードはキャットフードが前年度以上に好調に推移し市場が拡大した。サービス関連では、ペット保険や動物病院など健康関連サービスが牽引役となっているとしている。

 2015年度も同様の傾向が続いており、前年度比 101.3%の1兆4,689億円の見込みであるという。今後も、飼育頭数の大幅な増加は見込みにくいものの、安定的な猫人気、ペットの高齢化や、ペットの健康維持・管理への意識の高まりなどから、これらに関連する製品・サービスの旺盛な需要に支えられ、市場は引き続き拡大が続くと考えるとしている。

 ペットフードの2014年度の市場規模は、小売金額ベースで前年度比102.9%の4,604億円であった。近年市場を牽引しているキャットフードが前年度以上に好調に推移し市場規模を押し上げた。引き続き安心・安全や健康維持・管理といった観点から、付加価値の高いペットフードへの需要は高く、特にドッグフードはプレミアムフードの好調により市場が拡大した。

 また、キャットスナック類に対する関連各社からの期待は引き続き高いという。この背景にはスナックを通し、懐きにくいとされる猫とのコミュニケーションを図りたい飼い主からのニーズの高まりが挙げられるとしている。小売業では販売売場を拡大し、参入メーカーでは新商品を投入するなど、関連各社においてキャットスナック類を強化している。

 ペット用品の2014年度の市場規模は、小売金額ベースで前年度比100.3%の 2,506億円となった。2014年度は消費税増税後の反動減と消費マインドの低迷で、更なる需要低迷が懸念されたが、排泄ケア関連の消耗品についてはほとんど影響がなく、堅調な推移を見せた。

 用品分野別に見ると、健康維持・管理といった観点からデンタルケア用品が好調であった。また外出時や室内におけるマナーとして、ペット用おむつなどの排泄ケア関連の消耗品が引き続き拡大基調にある。一方、シャンプー・リンス類、消臭剤・脱臭剤、防虫剤・殺虫剤、しつけ剤は、縮小基調が続いているとしている。

 ペット関連産業市場には生体やペット美容室、ペット医療、ペット保険、ペットホテルなどの各種サービスが含まれる。2014年度の同市場規模は、小売金額ベースで前年度比101.1%の7,391億円であった。

 ペット関連サービス産業については、ペットに対する健康維持・管理の意識が高まっているなか、動物病院の利用が拡大傾向にある。それに伴い、ペット保険の加入も年々増加し、市場規模は大幅な拡大基調にあるという。ペットが家族の一員として認識される中、ペットの健康維持・管理に関わる製品及びサービスへの需要は今後も高まっていくものと考えるとしている。(編集担当:慶尾六郎)

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