安保法制の施行「危機だけ煽るのは全体見ない議論」―自民・谷垣禎一氏
2016年3月30日 11:51
自民党の谷垣禎一幹事長は29日の党役員連絡会後の記者会見で、安保法制の施行について「この法制は世界的にも相当支持された法制だと思っている」とし「アメリカはもちろん、オーストラリア、インド、東南アジア、それから欧州諸国、ASEANやEUからも『こういった立法は必要である』という肯定的な評価を頂いている」と強調した。
また「これができて日米連携は向上したと私は思う。加えて北朝鮮がああいう長距離弾道ミサイルや核実験というものをやっている。近隣の状況、グローバルなパワーバランスの変化を考慮したとき、いたずらに法案の危機だけをあおるのはやはり一端を見て全体を見ない議論ではないか。いろいろなお考えがあるでしょうが、私の感じはそういうことです」と安保法制への批判や懸念の声に異を唱えた。
また役員連絡会では衆議院選挙制度改革について「昨日、大島理森衆院議長の下で各党協議が行われた。わが党も格差是正については2月の簡易国勢調査の結果に基づいて選挙区間格差が2倍未満になるように区画見直しを行う」ということを報告したとした。
谷垣幹事長は「同時に、将来2倍を超えることのないように深掘りというような配慮もしていく。定数削減に関しては、小選挙区定数を295から6削減、比例代表は180から4削減する。アダムズ方式による小選挙区の都道府県別定数の増減は平成32年の大規模国勢調査の結果に基づいて速やかに実現するという3点を表明した。今後、各党間あるいは議長と各党で合意に向けた努力を行い、4月7日に再度集まるということになったので、成案を得られるよう努力していきたいと報告した」と語った。(編集担当:森高龍二)