15年の国内モバイル機器出荷、前年比8.1%減の4792万台―PCが大幅減

2016年3月22日 18:39

 IDC Japanは22日、スマートフォン、タブレット、PC、通信データカードなどを合わせた2015年の国内モバイルデバイス市場出荷台数は、前年比8.1%減の4,792万台だったと発表した。PC市場で2014年のWindows XPサポート終了に伴う特需の反動が続いていることが減少の大きな要因という。

 同社によると、2015年の国内モバイルデバイス市場の内訳は、スマートフォン市場が前年比3.6%増。従来型携帯電話から移行が進みプラス成長になったという。タブレット市場はスマートフォンとの競合で需要が減速し、前年比1.5%の小幅増だった。

 PC市場は、2014年のWindows XPサポート終了に伴う特需の反動が続いているほか、円安で平均価格が上昇した影響で買い替えサイクルが長期化し、前年比31.4%減の大幅なマイナス成長となった。

 2016年の国内モバイルデバイス市場の見通しについては、前年比8.2%減の4,401万台と予測する。

 内訳では、スマートフォン市場は前年比4.7%減の2,620万台となる見通し。2015年までは従来型携帯電話からの買い替えや、通信事業者によるキャンペーンでプラス成長が続いていたが、2016年は総務省要請によるスマートフォン実質0円販売の廃止で、出荷が減速する可能性が高いという。

 タブレット市場は、学校関連を中心にビジネス市場での導入が進むことが予測される。一方、家庭市場ではキラーアプリケーション不在や、大型スマートフォンとの競合から、前年比17.3%減の687万台と予測しているという。

 PC市場は、前年比8.5%減の965万台と予測する。PC買い替えサイクルが長期化する可能性が高く、特に家庭市場では、2015年と同様にPC購買を促進する要素が少ない状態が続くことが予想されるという。

 一方、タブレット市場では、キーボード脱着が可能で、ポータブルPCに使い勝手が近いデタッチャブルタブレットが増加する見通し。2015年のPCとデタッチャブルタブレットを合算した出荷台数は約1,180万台だったが、2016年は約1,130万台と、PCの出荷減少がデタッチャブルタブレットによって補足されることが予測されるという。

 IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「2015年の国内モバイルデバイス市場は、PC買い替えサイクルの長期化が大きく影響し、マイナス成長となった。2016年は、これに加えスマートフォンやタブレットの買い替えサイクルの長期化によって市場はマイナス成長が続くとみている」「しかし、2018年以降は従来型携帯電話のチップ生産終了に伴うスマートフォンへの移行や、特定用途向けタブレット、2020年のWindows 7サポート終了に向けたPC買い替え需要によって市場は拡大していくと予測している」とコメントしている。

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