14年度の国内スマホゲーム市場規模は前年度比159.8%の8,950億円―わずか4年で約19倍に

2016年3月19日 23:49

 矢野経済研究所では、国内のスマートフォンゲーム市場の調査を実施した。調査期間は2015年10月~2016年2月、調査対象は国内主要スマートフォンゲームメーカー。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。

 それによると、2014年度の国内スマホゲーム市場規模(メーカー売上金額ベース)は、前年度比159.8%の8,950億円と大きく伸長した。2012年リリースの「パズル&ドラゴンズ」、2013年リリースの「モンスターストライク」などのゲームアプリの人気が継続し、市場を大きくけん引した。スマホゲームの市場規模は、2011年度には480億円程度に過ぎなかったが、わずか4年の間に急拡大している。

 また、スマホゲームを取り巻く環境は非常に速いスピードで変化しており、今後も新たな手法で人気を集めるゲームが登場する可能性は十分あるという。しかし、現在の市場環境では家庭用ゲーム機向け開発と同等の技術力が求められ、さらに開発期間の長期化に伴うコストの増大や人員の確保、開発ライン数の多さなどが必要条件となっている。これらの要件を満たすことのできる企業は限られており、有力なコンテンツを有するゲームメーカーの市場における寡占化が進むと考えるとしている。

 国内スマホゲーム市場については、家庭用ゲームメーカー各社がスマホゲーム開発へとシフトし、自社の有力コンテンツを積極的に展開して人気を博していることや、2016年には家庭用ゲームの最大手メーカーの参入が予定されており、既存ヒットアプリの人気減少をその他の勢力でカバーできる環境は整っているという。2015年度以降も市場は安定的に成長を続け、2016年度の国内スマホゲーム市場規模(メーカー売上金額ベース)は前年度比102.2%の9,450億円に達すると予測している。(編集担当:慶尾六郎)

関連記事

最新記事