米FDA、遺伝子操作したネッタイシマカの放出実験による環境への影響は少ないとの事前判断

2016年3月14日 11:27

米食品医薬品局(FDA)は11日、フロリダ州で計画されている遺伝子操作したオスのネッタイシマカを放出する実験について、環境への影響は少ないとの事前判断を示した(FDAの発表OxitecのプレスリリースThe Vergeの記事Ars Technicaの記事CNN.comの記事)。 このネッタイシマカは英Oxitecが開発した「OX513A」で、オスのOX513Aと交尾したメスのネッタイシマカが産んだ卵は成虫になる前に死滅するという。ネッタイシマカはデング熱や黄熱病、チクングニア熱、ジカウィルスなどを媒介する。ブラジルやケイマン諸島で行われた実験では大きな効果を上げており、フロリダ州キーウェストのキーヘイブンでの実験が数年前から計画されていた。オスのOX513Aは吸血せず、2日ほどで死ぬために環境への影響は少ないと考えられているが、実験台にされる地元住民からの反発は強い。FDAではパブリックコメントを11日から30日間受け付け、その結果を見て最終的な判断を下すことになる。 キーヘイブンでは2009年と2010年にデング熱が感染拡大したことで実験が計画されたのだが、現在注目を集めているのはジカウィルスの感染拡大だ。妊娠した女性がジカウィルスに感染した場合、小頭症の子供が生まれる確率が高くなることが指摘されている。しかし、ジカウィルスは感染しても80%程度は症状が出ず、発症しても多くが軽症で、重症化するケースはまれだという。米国では現在のところ、ネッタイシマカによるジカウィルスの感染は確認されていないが、発症者がいないまま感染が拡大する可能性もある。Oxitec CEOのHadyn Parry氏は、感染が拡大する前に実験を行うことが急務であるとの考えを示している。 スラドのコメントを読む | ITセクション | バイオテック | スラッシュバック | バグ | サイエンス | 医療 | アメリカ合衆国

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