除染廃棄物への取り組み「強化していく」―安倍晋三首相
2016年3月6日 15:15
福島県入りした安倍晋三総理は5日、東京電力福島第一原発事故での除染活動で生じる廃棄物について「生活現場から撤去し、中間貯蔵施設に速やかに搬入しなければならない」と語り「来週、関係大臣を呼んで進捗状況を聞き、一層取り組みを強化していく」とした。
中間貯蔵施設は双葉町と大熊町にまたがって建設される予定で、広さは1600ヘクタール。ただ土地所有者、建物所有者は2000人を超え、連絡先の把握できない人は990人いるという中で、建設に向けた契約実績は2%に達していないと言われており、中間貯蔵施設に速やかに搬入をと言われても、その施設建設の準備がおぼつかない状況だ。安倍総理が進捗状況を把握してどういう指示をだすのか、対応が前進することを期待したい。
安倍総理は福島復興の一環として、楢葉町の新しいリチウム電池工場を訪ね「帰還した住民の方々が大変意欲を持って働いてらっしゃるところを拝見させていただいた。福島で未来のエネルギー社会が開花しつつあると実感した」とし「2020年には福島で再生可能エネルギーから燃料電池自動車1万台に相当する水素を作る。これを県内のみならず、東京オリンピック・パラリンピックで活用・利用していただきたいと思っている。福島を日本中に水素エネルギーを供給する一大生産地にしていきたい」と語った。
安倍総理はこれを『福島新エネ社会構想』とし「官民一体で構想実現会議を設置する。具体的な検討を今月中に始めるように経済産業大臣に指示する」とした。(編集担当:森高龍二)