【中国の視点】鴻海:シャープの買収は安いか、高いか

2016年3月1日 08:07


*08:07JST 【中国の視点】鴻海:シャープの買収は安いか、高いか
シャープ<6753>は2月25日、臨時取締役会を開催し、台湾の鴻海精密工業が提示した買収案を受け入れると決定した。これにより、シャープは鴻海向けに株式を割り当てる方針で、鴻海は最終的に66%のシャープの株式を保有する見通しだ。

シャープの買収価格について、各メディアの報道にバラツキがみられているが、シャープの株式取得や三菱東京UFJ銀行などからの優先株の買い取り、ほかの出資金などを合わせて約7000億円になるとみられている。

今回の買収は鴻海にとって安い買い物それとも割高なのかについて、専門家の間で意見が分かれている。鴻海は買収した後、シャープの債務も引き受ける必要があるため、買収価格は7000億円を大幅に上回る見通しで、割高だとの見方が出ている。一部では、シャープの債務を含めて買収価格は約1兆4000億円になると試算し、合理的な価格は4000億-7000億円になると指摘した。

一方、シャープを傘下に置くことで、米通信機器大手アップルとの価格交渉で有利になると指摘されている。シャープはiPhoneスクリーンのサプライヤーの一角であるためだ。また、シャープの買収を通じて鴻海は有機ELパネルの量産を実現する可能性が高くなるため、アップルとの交渉で存在感が増し、韓国企業に対抗できるとみられている。

なお、鴻海はアップルからの委託でiPhoneやiPadを生産しているが、純利益配分はわずか2-5%にとどまっているもようだ。《ZN》

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