ミニ保険が右肩上がり 人気の理由と注意点とは
2016年2月22日 06:59
ミニ保険の市場が拡大傾向にある。2014年度にはミニ保険会社が82社に達し、5年前と比べて2倍ほど増えたという。通常の保険会社の場合は免許制で最低資本金が10億円と定められているが、ミニ保険は登録制であり、最低資本金が1,000万円。参入しやすい土壌が拡大を後押ししたと考えられる。
ミニ保険とは、保険金額が少額かつ保険期間が短期の保険の引き受けのみを行う「少額短期保険」を示す。保険金額の上限は、病気による死亡が300万円、障害での死亡が600万円、入院給付金80万円、家財の損害が1,000万円。保険期間は1?2年程度だ。
その魅力は、大手会社にはないユニークな保険内容にある。契約件数を伸ばしていると話題のペット保険をはじめ、急用でコンサートへ行けなくなった時にチケット代が補償されるチケット保険、トラブル時に弁護士費用を保障する弁護士費用保険、病歴や持病があっても加入できる保険など、実にさまざまだ。
従来型の医療保険は、被保険者が一定の健康状態ではないと、加入できないことが多い。持病がある場合は「限定告知型」や「引受基準緩和型」が選択肢となるが、保険料が割高だ。一方、ミニ保険は手頃な保険料を武器に、糖尿病や一度がんになった人たちから支持を集めているという。うつ病などの心の病気や、発達障がい、身体障がいがある人が加入できる商品もある。
だが、おいしい話ばかりではない。注意したい点が2つある。まず、生命保険会社や損害保険会社が破綻した際には「保険契約者保護機構」が契約者の保護を図ることになっているが、ミニ保険は対象外。事業者の破綻などによって不利益を被る恐れがある場合は、加入の際に事業者の経営状況などを確認しておきたい。
また、所得控除も対象外である。通常の生命保険や損害保険であれば、一定の条件下で控除対象となる。つまり、死亡保障や医療保障など長期的に必要な保険の場合は、従来の保険商品に加入したほうが節税できるであろう。(編集担当:久保田雄城)