Apple曰く、当局が容疑者のApple IDパスワードを変更したためデータにアクセスできなくなった

2016年2月22日 11:56

昨年12月に発生した米カリフォルニア州サンバーナーディーノの銃乱射事件でサイード・ファルーク容疑者の使用していたiPhoneのデータ復元について、Appleは1月上旬からFBIに協力していたそうだ。しかし、このiPhoneで使われていたApple IDのパスワードを当局が変更したため、アクセス手段が失われたという(Ars Technicaの記事BuzzFeed Newsの記事9to5Macの記事)。 Appleでは政府が必要とするデータをバックドアなしに取得する方法として、4つの方法を提案していた。その1つはiPhoneを既知のWi-Fiネットワークに接続し、iCloudへの自動バックアップを実行させる方法だったという。iCloudに保存されたデータは令状があれば提出できる。 ファルーク容疑者はiCloudへのバックアップを事件のおよそ6週間前から実行しておらず、実際に自動バックアップが有効になっているかどうかは不明だった。いずれにしても、FBIがiPhoneを押収してから24時間以内にApple IDのパスワードがリセットされており、この方法は使えなくなってしまったとのこと。 このiPhoneの所有者はファルーク容疑者が勤務していたサンバーナーディーノ郡保健局であり、FBIは保健局がiCloudのデータにアクセスしようとしてパスワードをリセットしたと述べていた(PDF)。これに対し、郡ではFBIの指示に従って行ったものだと反論している。 政府が連邦地裁に提出した文書によると、AppleとFBIが話し合っていた4つの方法(と問題点)は以下のようなもののようだ。 通話記録の取得 (デバイスに保存されているデータに対して情報量が少ない)   iPhoneとペアリングされているコンピューターを見つける (見つからなかった)   iCloudへの自動バックアップを実行 (Apple IDがリセットされたので実行できない)   iCloudに保存されている過去のバックアップを取得 (10月19日以降のバックアップがない) スラドのコメントを読む | アップルセクション | 犯罪 | セキュリティ | 暗号 | アップル | 政府 | アメリカ合衆国 | iPhone

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