認知症予防に役立つ情報へ6割が関心 その具体策とは?

2016年2月19日 11:46

 日清オイリオグループは、高齢化の進展に伴い、40歳以上の男女1,200人に対して「認知症予防に関する意識調査」を実施した。

 それによると、全体で約6割、40代でも5割以上が認知症予防に関心があることが分かった。また、実際に認知症予防に取り組んでいる、またはこれから取り組みたいと考えている人を対象に、具体的に取り組んでいる(取り組み予定のある)認知症予防策を聞いたところ、約6割が「認知症予防に良いとされている食材を積極的に摂る」と回答した。

 厚生労働省は、今年1月に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定した。もはや国家的なプロジェクトに位置付けされる「認知症」である。

 認知症予防について、特にどのような情報が欲しいかについては、「認知症予防に有効だと思われる生活習慣」が74%でトップ。次いで「認知症予防に有効だと思われる食材や食生活」が59.2%、「認知症予防に有効だと思われる運動方法」が54.2%と続き、日常生活での食生活や運動習慣を改善するための情報を望んでいることが読み取れる。

 具体的に取り組んでいる(取り組む予定の)認知症予防策としては「ごまや野菜など、認知症予防に良いとされている食材を積極的に摂る」という食生活に関しての回答が全体で59.3%とトップ。次いで、「ジョギングなどの有酸素運動」が47.4%、「筋力トレーニング」が46.7%と運動に関する予防策が続く結果となっている。

 高齢化に伴い増え続ける「認知症」。2012年、厚生労働省によると、日本国内の65歳以上の高齢者3,079万人のうち認知症は約462万人、その予備軍である軽度認知障害(MCI)は約400万人である。その合算人数は65歳以上の高齢者の4人に1人を占めている。

 厚生労働省は、団塊の世代が75歳を超える10年後の2025年には、認知症の高齢者が700万人になるとする推計値を示している。調査を開始した12年は462万人で、65歳以上の約7人に1人という割合だったが、何の対策も行われない場合、25年には5人に1人の規模に拡大するという見方をしている。

 ミシガン大学医学部のLanga教授らは、医療費だけでなく家族が介護する時間もお金に換算した社会的費用は、がん、心臓病、脳卒中よりも高額であると発表している。厚生労働省と慶應義塾大学医学部の共同研究でも、社会的費用は今後も増加し、家族介護の負担がきわめて大きいと伝えている。

 糖尿病を招く食生活は認知症のリスクも高めるアルツハイマー型認知症の有病率がここ30年で大幅に増加している。背景には食生活の変化が影響していると考えられており、九州大学の研究グループによる久山町研究では、糖代謝とアルツハイマー病の関係を調査した結果、血糖値が高い人ほどアルツハイマー病のリスクが高いことが報告されている。

 高血糖や高インスリン血症になりやすい食生活は糖尿病だけでなく認知症のリスクを高めることが指摘されている。(編集担当:久保田雄城)

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