中古マンションが人気 リノベ市場が熱い
2016年2月7日 18:09
リノベーション(リフォーム)市場が賑わいを見せている。新築物件の価格が上昇傾向にある中、割安感のある中古マンションに惹かれる消費者が増えているのだ。中古マンションをリノベーションすることで、費用を抑えながらも自分らしい住まいを獲得できる。各社で顧客争奪戦が繰り広げられ、市場のさらなる活性化に期待が集まる。
大京グループ<8840>はリフォームのショールームを併設した新形態の不動産仲介店舗を開設した。購入した中古物件をリフォームし、販売する事業も展開している。
東京建物<8804>は自社で中古物件を購入し、大規模改修により物件価値を高めて販売するという新事業に乗り出した。東京・代官山のマンションの一室を購入し、リノベーションしたモデルルームがある。
住友不動産<8830>は新宿にマンションリフォームに特化した事業の拠点を開設。リノベーションを行う層の獲得に乗り出した。
東急不動産<3289>は築15年程度までのマンションを1棟丸ごと仕入れ、共有スペースも含めて大規模改修を行って販売する。
ちなみに「リノベーション」と「リフォーム」の違いについては、両者の厳密な定義や線引きはない。一般的には、リフォームは設備の変更や修繕、システムキッチンやユニットバスなどの入れ替え、壁紙の張替えといった、小規模かつ新築の時と同等か以下の性能になる工事を示すケースが多い。リノベーションは間取りや水道管、排水管の変更など、大規模かつ新築以上の性能になる工事のことをいう。
リノベーションは単に中古住宅を「再生」させるだけでなく、住まいを人に合わせて進化させ、ニーズに応じて自分らしさを表現できる。現在の日本は新築の家を持つことをステータスとする「新築至上主義」だが、一方で世界共通語になった「もったいない」という精神を持ち合わせている。欧米のように、中古が新築の需要を超える日が来るかもしれない。(編集担当:久保田雄城)