理由なく厚生年金未加入は事業主懲役6か月以下、厳しい姿勢で臨むべき―民主・長妻昭元氏
2016年2月6日 22:27
民主党の長妻昭元厚生労働大臣は5日の衆院予算委員会で、厚生年金に加入できる条件を備えているにも関わらず、加入していない人が推定で200万人いる問題について、政府の考えを質した。また、加入させなければならないのに正当な理由なく加入させていない事業主には懲役6か月以下の罰則規定が厚生年金保険法102条にあることを示し、加入促進に実効ある政府の取り組みを求めた。
塩崎恭久厚生労働大臣は「未適用事業所への適用促進へ、昨年4月から11月末までの8カ月間で6万3000事業所に対し加入指導し、加入適用している。今後、国税庁から法人番号を添えた法人情報の提供を3月ころから受けられるので、法人番号を使った突合ができるようになる。また厚生年金適用の可能性が高いとして把握している79万事業所に調査票を送る。そこで、事業所の実態を把握し、重点的な加入指導に当たっていく」と答えた。
長妻議員は「200万人もの未加入者のいることがはっきりしたわけで、うち71万人が20代の若い人たち。30代で52万人、40代で44万人、50代でも35万人もの人が厚生年金に本来入れるのに入っていない、あるいは入れていないということだ。正当な理由がなくて(資格があるのに)入れなければ6か月以下の懲役(規定がある)。加入させないのは犯罪だ。この2年間で告発などしたことはあるのか」と質した。
さらに、長妻議員は「告発がゼロ、罰則を受けた企業がゼロというのは(法規定が)絵に描いた餅になっている」とし、「相当厳しい姿勢を臨むべきだ」と実効性を持つ対応を求めた。
安倍晋三総理は「厚生年金未加入事業者をなるべく加入させ、適用事業所になった後は、事業主の義務を適切に果たしてもらう義務がある。政府としては事業主に理解を求め、可能な限り自主的な加入手続きをするよう、努力したい」と徹底指導、取り締まりまでの姿勢表明にまでは至らなかった。(編集担当:森高龍二)