朝食摂取回数が少ないと脳出血のリスクが高くなる
2016年2月5日 04:46
国立がん研究センターは4日、毎日朝食を摂る人に比べ、一週間あたりの朝食摂取回数が少ない人は脳出血のリスクが高くなるとする研究成果を発表した。世界で初めて朝食欠食により脳出血のリスクが上昇する可能性を示したコホート研究という。
朝食を欠食すると肥満、高血圧、脂質異常症、および糖尿病のリスクが上がることは多くの研究で示されてきた。しかし、朝食の欠食と脳卒中および虚血性心疾患のリスクについてはほとんど研究されてなく、脳卒中に関する研究は今までなかった。
同センターは、アンケート調査に参加した45~74歳の男女約8万人を対象に、1週間あたりの朝食摂取回数に関する質問項目への回答から、週に0~2回、週に3~4回、週に5~6回、毎日という4つの群に分け、その後の脳卒中および虚血性心疾患発症との関連を分析した。その結果、平均で約13年の追跡期間中に、3,772人の脳卒中発症と870人の虚血性心疾患発症を確認した。
解析の結果、朝食を毎日摂取する群と比べ、週に0~2回摂取する群の発症リスクは、脳卒中全体で18%、脳出血では36%高くなっていた。一方、くも膜下出血、脳梗塞および虚血性心疾患については、関連は見られなかった。
脳出血の最も重要なリスク因子は高血圧だが、朝食を欠食することで朝の血圧が上昇し、毎日朝食を摂取する人に比べて脳出血のリスクが高くなっていた可能性が考えられるという。(記事:町田光・記事一覧を見る)