トヨタ、ダイハツを完全子会社化―小型車事業で選択と集中
2016年1月29日 18:30
トヨタ自動車は29日、51.19%出資している子会社のダイハツ工業を完全子会社化することで合意したと発表した。戦略を一本化して小型車事業の選択と集中を進め、グローバルな競争力を高めるという。
両社によると、小型車の戦略としてトヨタブランド、ダイハツブランドの差別化を進め、それぞれの顧客にとって最適な商品ラインナップを拡充する。開発では、ダイハツが主体となる。
技術戦略は初期構想の段階から共有し、トヨタは環境・安全・安心・快適技術面での開発を進め、ダイハツはパッケージング力、低コスト技術、低燃費技術、先進技術の低コスト化・コンパクト化を推進するという。また、ダイハツ独自のクルマづくりのノウハウをトヨタグループ内で共有し、上位車種の低コスト化につなげる。
新興国市場は、ダイハツが主体となって、開発・調達・生産といったモノづくりをスピーディーかつ効率的に推進する。国内事業では、トヨタの販売のノウハウやインフラも相互活用して、ダイハツブランド力向上と収益力の両立を図るという。
完全子会社化は株式交換によって8月1日に実施する予定。トヨタ株1株につきダイハツ株0.26株を割り当てる。
両社の発表資料によると、トヨタの豊田章男社長は今回の完全子会社化について、「お互いがこだわりを捨てて、任せるところは任せ、それぞれが得意分野を全力で伸ばしていく、すなわち“選択と集中”、それこそがグローバル競争を勝ち抜いていくための鍵になる。」とコメントしている。
ダイハツの三井正則社長は、「次の100年に向けた成長の道筋を描く事ができた。トヨタとの関係をより強固にすることで、今後のダイハツの成長、そして『ダイハツブランドの世界基準への進化』に踏み出していきたい。」とコメントしている。