2016年の今こそ考えたい2020年の小売の常識
2016年1月29日 15:43
年が明けて2016年となった。2015年は年末商戦で紙媒体を用いた広告からデジタルへの変化が鮮明になるなど、予想されていた大きな変化が目に見える形となって現れ始めた年であったと言える。しかし、変化が起きてからそれに対応していたのでは常に変化をし続ける小売業界で生き残ることは難しい。そこで、今回はあえて2020年に常識となるであろう4つの取組みを見ることで、今小売関係者が取り組むべきことを考えてみたい。
■ 1.ショールーミングは戦略の一部となる
引用:Champion
eMarketerによると、2014年度の世界EC売上は約160兆円に登り、前年から22%増加した。2020年の世界において、ショールーミングは小売企業の戦略の一部となる。Thomas Keenan氏の予想では、「小売店舗はミュージアムのようなもの」になるという。また、iBeaconが普及して顧客とのインタラクティブなコミュニケーションやモバイル上で決済して商品を自宅に送るといったことが可能になる。
■ 2.店舗内分析は当たり前のものとなる
実店舗と比較したECの強みの一つとして詳細な顧客行動データを取得できる点があった。これにより施策のPDCAを素早く回してサイトを改善することができたのだが、もうそれはECだけでの特権ではない。2020年の世界では小売店舗のほとんどがECと同じく顧客行動を分析するためのツールを店舗に持つようになる。具体的には店舗内のカメラの動画を解析して顧客の性別・年齢を推定したり、滞在・通過位置を分析することが可能になる。
■3. 財布を出すという行為がなくなる
引用:Fortune Apple Payを始めとした決済サービスによりモバイルを経由した支払いが今後普及していくと予想される事に関しては今までもご紹介してきた。しかし、2020年の店舗ではスマホをかざす必要すらない。Keenan氏の予測によると、将来的には顧客が何の商品をカゴに入れたかを店舗がトラッキングして、店から出ると自動で支払いが完了するサービスが登場されるとしている。
■4. テクノロジーが販売員のアシスタントになる
引用:BBC Retail テクノロジーは工場内では既に多くの作業を自動化している。今度は店舗内でも同じことが起きると予想されている。BeaconやNFCを使って顧客のスマホに直接、店や商品の案内を送ったり、また、商品の前出しや欠品の確認といった単純作業は機械によって代替されることが予想されている。
■まとめ
2020年に常識となっているだろう4つの取組みについてご紹介したが、いかがだったろうか?勘の良い方なら気づいたかもしれないが、今回ご紹介した4つの取組みは既にいくつかの企業の店舗では実際に行われ始めていることである。一番目に紹介したショールーミングを取り入れた戦略は自社ECに力を入れるヨドバシカメラや楽天が出店した楽天カフェで既に行われている。また、二番目にご紹介した店舗内分析も国内大手百貨店の三越伊勢丹やDVDレンタル国内最大手のGEOが既に実際の店舗で取り組みを始めている。未来は突然やってくるものではない。少しずつの小さな変化がやがて大きなうねりとなって大きな変化を作り出す。その流れに乗り遅れない為にも、毎日起こる小さな変化を見逃さず、O2Oイノベーションラボでは小売業界の新しい取り組みをご紹介していきたい。
▼参照記事Forbes 元記事を見る
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