利用したことのあるニュースアプリはYahoo!ニュースが23.4%でトップ
2016年1月28日 18:22
ニュースを得るための媒体といえば、新聞、テレビ、ラジオなどが長らく主流であったが、近年ではパソコンやモバイル端末でニュースを閲覧する利用者が急増している。特にアプリの普及に伴い、スマートフォンやタブレット端末と言ったスマートデバイスでの閲覧形態が一般化してきているのが現状だ。
ICT総研では2016年1月21~22日にモバイルニュースアプリの利用実態について、インターネットユーザー 2,157人にWebアンケート調査を実施した。その結果、「1ヵ月以内にニュースアプリを利用したことがある」とした回答者は45.5%を占めた。利用したことのあるニュースアプリは、Yahoo!ニュース(アプリ版)が23.4%でトップとなった。利用率2位はスマートニュース(13.2%)、以下 LINE NEWS(11.6%)、新聞社提供のニュースアプリ(10.4%)と続いた。
Yahoo!ニュースがモバイルニュースアプリの利用率でもトップである要因は、パソコンなどでもともとYahoo! Japanのポータルサイトを利用する5,000万人以上のユーザーを抱えており、ユーザーがアプリの利用にも抵抗がないためであると見られるとしている。
モバイルニュースアプリの利用者に対して、満足度を聞いてみると、満足度1位はNewsPicksであり100点満点換算した満足度ポイントは78.6ポイントとなった。2位はAntennaで76.6ポイントであり、以下 LINE NEWS 76.1ポイント、エキサイトニュース 76.0ポイント、スマートニュース 75.9ポイントと続く。
また、ニュースアプリを利用しない回答者に対して、その理由を聞いたところ、「他の媒体から得るニュースで十分だから」(53.9%)が群を抜いてトップとなった。前回調査でもこの選択肢が56.1%でトップであり、その傾向は変わっていない。
次に多かったのは、「利用の仕方が分からないから」であり17.3%。前回調査時は5.8%と少なかったが、大きく増加した。ニュースアプリが話題になっており、利用してみたいとは思うものの、入手方法や操作方法に利用障壁を感じるスマホ初心者が増えてきているためと考えられる。また、コンテンツ課金に対する懸念や、ニュースアプリ上の広告などは、前回調査時と同様にニュースアプリを敬遠する理由となっているとしている。
文字や写真で読むニュースメディアと言えば、これまで紙媒体の新聞が担ってきたが、若年層の新聞離れが続き、ここ数年でネットニュースがニュースメディアの主役となりつつある。国内の新聞発行部数は2000年の5,370万部から2015年には4,400万部へと減少を続け、歯止めがかかっておらず、今後も新聞購読者の増加は見込めないものという。
今後は、今まで以上に紙媒体とネットメディア間の競争よりも、ネットニュース内での読者獲得競争がより重要になるだろう。モバイルニュースアプリでの成功が将来のマスメディアを制するという見方すらできる時代になったと言える。ICT総研は、今後もこの市場の動向、利用者の動向に注視していく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)