若者が専業主婦(夫)に憧れる理由 共働き増加の中、ホンネは違う?
2016年1月26日 13:24
20代の半数以上が専業主婦(夫)になりたいと思っている——SUUMOが子どもを持つ共働きの夫婦300人(男女それぞれ150人)に「共働きの生活に関するアンケート」を行ったところ、驚きの結果が出た。調査期間は2015年10月27日から10月29日。既婚・子どもありの20〜59歳を対象とした。
「あなたは専業主婦(夫)になりたいと思いますか?」との問いに、「なりたい」「どちらかといえばなりたい」を合わせると、36.0%が専業主婦(夫)になりたいと思っていることがわかった。世代別で見てみると、20代は62.6%と半数以上をマーク。男女共に「もっと子どもと触れ合う時間が欲しい」「仕事が嫌」「自由な時間がほしい」などの理由が並ぶ。
反対に「なりたくない」を選択している人は、男性36.7%に対し、女性は30.7%であった。理由の多くが家計や将来への不安で、一日中家にいると退屈だという声も。
15年6月に発行された男女共同参画白書によると、14年は共働き世帯が1077万世帯にまで増え、専業主婦世帯は720万に留まった。35年前に遡ると1980年は専業主婦世帯が1114万、共働き世帯は614万。時代が大きく変わったことがわかる。
そんな中、今回のアンケート結果は衝撃的であった。有効回答数が300人と少ないものではあるが、決して軽視できない。胸の内では専業主婦(夫)を希望していても、何らかの理由で働かざるを得ない状況に置かれているのだ。
「20代の半数が専業主婦(夫)を希望している」とだけ聞いたら「甘えだ」「これだからゆとりは」と感じる人もいるかもしれない。しかし、なぜ専業主婦(夫)になりたいと思っているのか、その理由に耳を傾けてもらいたい。
20代の夫・妻であれば、まだ子どもが小さいと考えられる。保育園や託児所に預けてフルタイムで働くと、一日に子どもとじっくり向き合える時間はどれほどのものであろうか。子どもの体調が悪い日は会社を休み、熱が出たと保育園からの呼び出しも日常茶飯事だ。「専業主婦(夫)になりたい」というSOSを受け止め、支え合える社会の実現を筆者は願っている。(編集担当:久保田雄城)