非正規の3人に1人、世帯収入まかなう「主稼得者」

2016年1月26日 13:25

 非正規雇用として働く男性のうち半数は、自分の収入が世帯収入に占める割合が高い「主稼得者」であることが、連合(日本労働組合総連合会)の調査でわかった(第2回「非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」)。非正規雇用者が主稼得者である世帯の3割が世帯収入200万円未満。勤続年数が上がっても時給はほとんど変わらず、厳しい生活実態が明らかになった。

 調査は昨年10月、ウェブアンケートで実施。無作為に抽出した首都圏・関西圏在住、20~49歳、民間企業に雇用されている非正規労働者2000人を対象に、「平成24年就業構造基本調査」に基づいてサンプリングした。

 自分の賃金収入が世帯収入に占める割合について、「すべて」「世帯収入の大部分」「世帯収入の半分くらい」のどれかを選択した人を「主稼得者」とすると、全体の33.9%が該当した。男性では49%と半数に達し、年代が高くなるほど「主稼得者」の割合が高くなる。20代男性では36.5%に対し、40代男性では70.6%が主稼得者だった。40代男性では、半数の48.6%が「自分の賃金収入が世帯収入のすべて」。中年以上の世代では、1人暮らし、もしくは自分1人で家族を支える非正規雇用の男性が目立つ。

 時給は全体の平均が1086円で、男性では年代が上がるにつれ少しは高くなる傾向にある。が、そこまで大きな変化はみられなかった。

 非正規労働者が主稼得者の世帯の年収をみると、男性では78.9%、女性では80.7%が、過去1年の世帯年収が「400万円未満」。こうした世帯では、44.2%と半数弱が「世帯全体の年間収支が赤字」だった。非正規雇用の人が中心となって家庭を維持するのは、非常に厳しい状況だ。

 貯蓄も少ない。非正規労働者が主稼得者である世帯では、世帯貯蓄が「ない」とする割合が27.9%と約3割に達した。これに「100万円未満」(24.8%)を加えると、52.7%に達する。

 こうした結果を反映してか、いま最も困っていることや支援してほしいことの1位は「お金のこと」(32.2%)。次いで「自分の将来のこと」(16%)となっており、生活不安が随所に伺える結果となった。(編集担当:北条かや)

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