2015年の貿易収支、2兆8,322億円の赤字―5年連続も原油安で赤字幅は縮小
2016年1月25日 12:20
財務省が25日発表した2015年の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆8,322億円の赤字となった。赤字は5年連続。原油安の影響で輸入額が6年ぶりに減少したことなどから、赤字幅は前年比77.9%減少した。
貿易収支のうち、輸出額は前年比3.5%増の75兆6,316億円だった。増加は3年連続。自動車が同10.3%増、半導体等電子部品が6.1%増加した。
輸入額は、同8.7%減の78兆4,637億円だった。減少は6年ぶり。原油安で、原粗油が同41.0%減、液化天然ガスが同29.5%減、石油製品が同32.7%減と、大幅に減少した。
12月単月の貿易収支は1,402億円の黒字となった。黒字は2カ月ぶり。輸出、輸入とも前年を下回ったが、原油安などで輸入額の減少が大きかった。
12月単月の輸出額は前年同月比8.0%減の6兆3,376億円だった。減少は3カ月連続。自動車が同8.6%増と伸びたが、鉄鋼(同26.8%減)、有機化合物(同25.5%減)、鉱物性燃料(同41.4%減)などが減少した。
12月単月の輸入額は、同18.0%減の6兆1,973億円だった。減少は12カ月連続。原油安で、原粗油が同46.7%減、液化天然ガスが同45.6%減、石油製品が同38.8%減と、大幅に減少した。
12月単月の地域別では、米国との貿易収支は、同2.7%増の7,583億円の黒字となった。輸出では、自動車が増加した。輸入は原粗油が増加し、航空機類、穀物類などが減少した。
EUとの貿易収支は117億円の赤字で、3カ月連続の赤字となった。輸出で自動車、自動車の部分品などが伸びた一方、輸入で医薬品、有機化合物などが増加した。
アジアとの貿易収支は、2,675億円の黒字で、3カ月連続の黒字となった。このうち、中国との収支は4,028億円の赤字となり、赤字幅は同9.7%増加した。赤字は3年10カ月連続。有機化合物、半導体等電子部品などの輸出が減少した。