平和安全法制の施行に向け「万全の準備」―安倍晋三首相
2016年1月25日 00:29
安倍晋三総理は安全保障政策について、国会での施政方針演説で「自国防衛のための集団的自衛権の一部行使容認を含め、切れ目のない対応を可能とし、抑止力を高める。平和安全法制の施行に向けて万全の準備を進める」と今春施行する安保法制の実効をあげるための準備を着実にすすめていく方針を示した。
演説の中で、安倍総理は「積極的平和主義の旗の下、これまで以上に国際平和に力を尽くす。平和安全法制は世界から支持され高く評価されている。戦争法案などという批判は全く根拠のないレッテル貼り」と安保法制廃止や一昨年7月の集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更の閣議決定前の政府解釈に戻すべことを目指す野党勢力をけん制した。
また、法廷闘争にまで悪化している普天間飛行場の名護市辺野古への代替基地建設について「普天間飛行場の全面返還。日米合意してから20年。もはや先送りは許されない」とし「名護市辺野古沖への移設による埋立て面積は現在の普天間の3分の1以下に縮小する。普天間が有する3つの機能のうち、2つは本土に移転し、オスプレイの運用機能だけに限られる。日常の飛行経路も海上へ変更され、騒音対策が必要な住宅はゼロになる」とアピール。「沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を粘り強く続けながら、明日の沖縄を共に切り拓いていく」とした。
憲法改正については、演説最後に「民主主義の土俵である選挙制度の改革、国のかたちを決める憲法改正。国民から負託を受けた、私たち国会議員は正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく。その責任を果たしていこうではありませんか」と一言だけにとどめたが、逃げることなく答えを出していく」としたところに憲法改正への決意が滲み出ている。(編集担当:森高龍二)