ペット保険、契約急増のワケ 犬の飼育頭数は減少
2016年1月21日 21:23
ペット保険の契約件数が急増しているという。富士経済の調査によると、2015年には105万件を突破する見込みだ。11年からの4年間で72%も増えていることになる。
治療費は動物病院によって異なるが、CTやMRIなどの医療機器の発達、専門医の増加に伴い、診療費が高額になるケースが増えている。ガンなどの重大な病気にかかり、手術に加えて継続的な治療が必要になると、100万円以上かかることも珍しくない。
楽天<4755>の調査によると、犬のかかりやすい病気の約半数はガンで、犬がガンにかかる割合は人間のおよそ2倍と言われている。猫も同様に1位がガン(35%)で、2位は腎臓病(25%)。猫はもともと水を多く飲む動物であるため、腎臓病にかかりやすいとされている。
日常に潜む怪我などのリスクも高い。異物の誤飲や骨折などだ。異物誤飲の場合、レントゲン、血液検査、注射、静脈内注射、切開手術、点滴治療、内服薬、入院が必要になると、10万円以上はかかる。病院や診察内容によって異なるが、高額であることには変わりない。
ペットは自由診療のため、医療費は100%飼い主の負担となる。もしもの時に備えて保険に加入する意識が高まっているようだ。また、ペットと飼い主の高齢化が進んでいるのも、大きな要因と考えられる。
アイペット損害保険調べによると、1年間の動物病院利用率は約9割。アイペット損害保険の被保険者は、平均年1回以上保険金を受け取っていることがわかった。
ペット保険発祥の地はイギリスで、高額な治療費に悩んだ女性が保険会社を立ち上げたのが始まりだと言われている。スウェーデンではペット保険の普及が進み、ペットオーナーの半数が加入していると言われている。スーパーやコンビニでも保険の申し込みができるほど、身近な存在だ。
国内のペット保険もインターネットから簡単に申し込めるようになった。犬の飼育頭数は減少傾向にあるが、ペット保険の需要は今後ますます拡大しそうだ。(編集担当:久保田雄城)