衆院選挙制度「答申は是とするに至らない」―社民党談話
2016年1月15日 17:50
人口変動に対応し1票の格差を2倍未満に抑えるため5年ごとに都道府県別に定数を見直し、総定数で10減(選挙区6減・比例4減)する衆院選挙制度調査会の答申内容について、比例代表中心の選挙制度への転換が不可欠としている社民党の吉川はじめ党選挙制度PT事務局長は「答申が民意の集約と反映の適正なバランスの必要性を指摘しながら、現行選挙制度を前提とした格差是正にとどまったことは極めて残念。社民党として調査会答申を是とするには至らない」と談話を発表した。
社民党は「答申は小選挙区で6、比例区で4、合わせて定数を10削減したうえで、より人口割に近いアダムズ方式の導入で小選挙区定数を都道府県に配分することを柱としたもの。一票の格差是正とともに、小選挙区制度が民意の過度な集中を招き、大量の死票を生み出している現状も放置できない」と提起した。
また「答申が、現行定数は多いとは言えないとしながら、小選挙区6、比例区4の総計10議席削減を打ち出したことは理解しがたく、削減根拠は極めて不明瞭である。議員定数は、民主主義の土俵である国会の在り方そのものに関わる問題であり、主権者である国民の政治参加の機会の保障、立法府による行政監視の役割、あるいは議員1人あたりの人口数の国際比較などから、適正な定数が検討されるべきであり、消費増税を理由にして、削減ありきで進めるべき問題とは全く筋が違う」と反発。社民党は「民意の過度な集中を是正する観点からすれば比例区定数の削減はとても容認できるものではない」としている。(編集担当:森高龍二)