トヨタ、北米ショーに衛星通信機能を搭載した燃料電池車「MIRAI」を参考出展

2016年1月13日 17:13

 トヨタ自動車は12日、北米国際自動車ショーで、米Kymeta社の衛星通信技術を活用した燃料電池自動車「MIRAI」の実験車を参考出展したと発表した。

 従来の衛星通信アンテナは衛星を捕捉するため、パラボラアンテナのような曲面の形をとるものが通常だが、「MIRAI」が搭載している試作アンテナは、液晶技術とソフトウェアを用いることでこうした形状を必要とせず、電子的に衛星を補足できる独自技術を有している。そのため、アンテナを平面化、小型化し、車載に適したものにすることができたという。

 トヨタはKymeta社と2013年9月から車載用平面アンテナの共同研究を開始した。現在は、自動車向けアンテナの開発・試験の独占権を得て、同社に試験車を貸与し、走行評価を実施しているという。

 衛星通信には、①車両へ大量のデータを配信できる、②カバーエリアが広く、グローバルに国や地域をまたいで同規格のもと「つながる」クルマを展開できる、③天災などの緊急時でも、より安定した通信が確保できる――などのメリットがある。トヨタは、車載通信機(データ・コミュニケーション・モジュール)の搭載率を今後高めていくといった取り組みを進めており、将来的には大容量でデータ転送速度に優れた衛星通信の活用も視野に入れている。

 なお、将来技術の研究開発を促進する観点から、トヨタも出資する「未来創生ファンド」からKymeta社へ500万ドル(約5億9,000万円)を出資している。

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