転職で年収が増加した人は5割―増加額は6割超が「100万円以上」
2016年1月9日 22:40
新年を迎えて、「今年こそ転職」と考えているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。景気の回復を徐々に実感するシーンが増えてきることも手伝って、転職のタイミングとしては、まずまずの時期ではないだろうか。
エン・ジャパン<4849>が運営する「ミドルの転職」で、サイトを利用しているユーザーを対象に「年収アップ転職の実現」についてアンケートを行った。それによると、2人に1人は転職を機に年収アップを実現している。年収アップの額は、「100万円以上」で、転職先は「スカウトオファーが来た企業」へというものだ。
年収を上げるために必要な能力は「課題を設定し、達成に向け臨機応変に対応する力」「相手の意図を理解し、調整をはかりながら周囲を納得させ仕事を進める力」「豊富な知識・ノウハウ」だとしている。では、その詳細を見ていこう。
転職を機に年収が上がった人は、50%。実際に上がった金額は、62%が「100万円以上」と回答している。年収別で見ると、年収500万円未満は「50万円未満」(34%)、年収500万円~750万円未満、年収750万円以上は「100万円~150万円未満」(500万円~750万円未満:37%、750万円以上:25%)が最多となっている。また、年収750万円以上は「300万円以上」と回答した人が24%と、4人に1人が300万円以上の年収アップ転職を実現させているようだ。
年収を上げるために転職時に意識したことについて、もっとも多かったのは「スカウトオファーが来た企業への転職」(23%)だった。レジュメに書かれているスキル・経験を評価されたうえでオファーを受けていることから、給与交渉もしやすく年収アップにつながったと思われる。年収別でみると、750万円以上は「スカウトオファーが来た企業への転職」に加え、「業績好調な業界への転職」(31%)、「外資系企業への転職」(31%) 、「現職よりも上の役職提示がある企業への転職」(30%)も他の年代より高くなっている。
唯一年収500万円以下が他の年収層を上回った項目は「急募・欠員補充などの募集をしている企業への転職」(23%)。企業側の採用意欲の高いため、キャリアが浅くとも年収交渉がしやすいことが考えられる。
年収が上がった人を対象に、年収アップのために必要な能力について聞いたところ、コンセプチュアルスキル(概念化能力)について、トップ3に挙がったのは「状況に応じて臨機応変に対応する能力」(46%)、「問題意識に基づき、課題や目標を設定する能力」(46%)、「計画に基づき、業務を着実に実行・達成する能力」(40%)だ。年収アップには課題を設定し、達成に向け臨機応変に対応する力が必要と考えられているようである。
ヒューマンスキル(対人関係能力)について、上位に挙がったのは「立場や価値観の違う社内外の関係者同士をまとめる調整能力」(49%)、「社内外の関係者に、納得感高く物事を伝えるプレゼン能力」(42%)、「相手の意見を理解し、吸い上げるヒアリング力」(41%)だった。年収アップには相手の意図を理解し、調整をはかりながら周囲を納得させ仕事を進める力が必要とされているようだ。
テクニカルスキル(業務遂行能力)について、もっとも多くの人が挙げたのは「豊富な経験により蓄積された知識・ノウハウ」(77%)だ。語学力やITスキルを挙げたのは3割以下となっており、年収を上げるためにはそれほど必要なスキルではないと言えそうである。
こうしたことを踏まえて、新年度からの年収アップ転職を考えてみるのも悪くないだろう。もしそれが、初夢だったとしても。(編集担当:久保田雄城)