スキンケアからトキメキまで、住宅メーカーそれぞれの女性目線

2016年1月3日 14:54

 2015年の住宅市場は、太陽光発電やHEMSなどを利用した最新設備のスマートハウスから、相続税対策の面で脚光を浴びた二世帯住宅・賃貸店舗併用住宅など、消費者の目的やライフスタイルに合わせて、セールスポイントを明確に打ち出した売り方が目立った。中でも、「女性視点」を積極的に取り入れた住宅は、各社ともに人気の高い商品となっているようだ。

 例えば、大和ハウス<1925>が2011年より、高級スキンケアのトップブランド「SK-Ⅱ」との全面的なコラボレーションとして、同社戸建住宅商品「xevo(ジーヴォ)」で提案している「コクームスペース」が面白い。「コクームスペース」はスキンケアとメークを通じ、機能性と快適性を追求した、女性のためのリラクゼーション空間で、これまでの間取りや利便性などの日々の生活視点での「女性目線」提案ではなく、「いつでも美しくありたい」という女性の本質的な望みの視点を重視した提案となっており、とくに共働き夫婦を中心に人気を得ているようだ。

 賃貸住宅でも、女性目線は入居者にアピールするための必須キーワードになりつつあるようだ。ミサワホーム<1722>では、経済的に自立し、仕事と家庭を両立する女性が増えている今の時代に合わせ、同社の賃貸住宅「MJ Wood ALBIO MAISON」の中に、女性の生き方を応援できるプランニングやアイテムの提案を積極的に取り入れている。たとえ賃貸住宅でも、オシャレに暮らしたい。安心して子育てしたいし、使いやすい収納がほしい。暮らしの中で生まれるさまざまな要望や悩み、不満の解消を目指し、33項目の知恵と工夫を盛り込んだ「MJ Wood」は高い支持を得ており、入居率も高い。

 そして、パナホーム<1924>も新年早々、大変興味深い住宅の展開を始める。同社は、家事をラクに快適にする空間提案「家事楽」など、大手ハウスメーカーの中でもとくに女性視点のくらし研究に積極的に取り組んできたメーカーとして知られている。2015年の秋には、それまでの研究結果を基に全国の営業拠点で、パナホーム・くらし体感『トキメキフェア』を一斉開催し、大勢の来場者で賑わいを見せた。また、来場者を対象に、同社の提案する住空間や設備について投票する「トキメキコンテスト」を実施し、全国で5000人を超える投票を集めた。今回、投票の中から、女性の感性に応える「家事楽」「綺麗」「上質感」の3つのカテゴリ別に、投票で上位にランクインした提案をラインナップした戸建住宅「CASART(カサート) トキメキセレクション」を、2016年1月2日から新しく展開する。室内干しができるランドリースペースや家族みんなが使う物を片付けられるファミリー収納など、とくに目立った新しい設備ではなくとも、女性の消費者自身が共感し、トキメキを感じる仕様がふんだんに盛り込まれており、ある意味、究極の女性目線住宅となりそうだ。

 女性目線といっても、その考え方や特徴は住宅メーカーによってもまちまちだ。賃貸にしても持ち家しても、住宅選びの際は、何を重要視するのかまずは「自分の目線」をハッキリとさせたうえで、各メーカーのそれぞれの目線と合うものを探し、選びたいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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