2015年「決断したこと」第1位は、著名人に教えられた大切な「あのこと」

2015年12月27日 19:27

 イベントや忘年会、仕事納めのラストスパートで忙しくなるこの時期、ふとしたときに「去年の今頃は何をしていたか?」「来年はどんな一年になるだろうか?」と自分自身の心に問う瞬間があるものだ。

 そんな2015年の師走、誰にもわからない「来年」という未来を見据え、人々は何を決断したのだろうか。総合情報サイトを運営するオールアバウト<2454>が、同社サイトで記事を掲載している各分野の専門家約900人のアンケート結果をもとにした「決断したこと」ランキングを発表した。このアンケートによれば、転職・起業、健康、進学・就職、妊娠・出産など9部門のうち、「決断したこと」の総合第1位は「がん検診を受ける決断」だったという。

 確かに今年は働きざかりの世代のがんによる急死が相次いだ。俳優の今井雅之さんや女優の川島なお美さんの死は衝撃とともに、がんという病の恐ろしさ、定期的な検診の大切さを人々に痛いほど実感させた。

 アンケートによれば、30代女性は特に強く危機感を抱いたようだ。北斗晶さんの乳がん公表の後、「乳がん検診をすぐ予約した」と回答した女性は8.8%、「受けようと思った」と答えた女性は25.2%。20代でも21.9%が「受けようと思った」と回答している。

 20代でもがんになる可能性は十分ある。「私は大丈夫」という言葉で後悔しないよう、検診をはじめ、健康管理には注意したいものだ。

 次いで、「決断したこと」第2位は「地方に移住する決断」。

 14年に内閣府が行った世論調査によれば、都市部に住む人が「農山漁村地域に定住してみたい」と回答した割合は05年時の調査結果と比べて11%もアップしているという。しかもその年代別割合は20代も最も多く、若者の都会離れが進んでいるようだ。反対に、高齢者層では病院へのアクセスなど、色々と利便性の高い都会に住みたがる傾向が見られたという。

 第3位は「パパが育休を取る決断」である。

 そう、いまだ「決断」と表現されるほど、父親の育休取得は男性にある種の覚悟を強いるということだ。同社が今年11月に実施した独自調査では、14年10月以降に妻が出産した男性291人のうち、31人が育児休暇を取得したという結果が出たそうだ。この数字だけ見れば父親の育休取得率は10.65%だが、世間はそれほど甘くはなかった。

 妻のサポートや育児を目的とした有給休暇を取得するという通称「隠れ育休」が正規の育休よりも多いのが現状なのである。NPO法人ファザーリング・ジャパンの今年6月の調査によれば、この「隠れ育休」取得率は乳幼児の父親では約46%にものぼった。そしてその取得期間で最も多かったのは「3日以内」である。決断したこと第3位に育休取得がランクインした要因には、この現状下、妻の負担・疲労を目の当たりにし、「これではだめだ」と感じた夫が増えたこともあるのだろう。

 その他、「性の多様性を尊重する決断」や、「一生働く決断」などが9位以内にランクインしている。

 ざっと決断内容を眺めると、なぜか漂ってくる現代人の「危機感」と「焦燥感」。もともと「決断」という言葉には重いものがあるが、だからといって暗い気持ちでの決断というのも少し物悲しい。個々が目標や決断を心に秘めながらも、今日という日を前向きに、懸命に生きたいものである。(編集担当:久保田雄城)

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