首都圏マンション価格 24年ぶりに平均6000万円台を突破
2015年12月19日 20:05
マンション耐震強度偽造問題などもあり注目を浴びることが多いマンションであるが、先月首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)で発売された新築マンションの平均価格が発表された。1戸当たりの平均価格は6300万円となり24年ぶりの高値となった。これはバブル崩壊後の1991年6月以来の高値である。昨年の同じ月と比べても1104万円も上がり、率に換算すると実に21.1%上回っている。
しかし、このままバブル期に再突入かと言う見方はできそうにない。今回新築マンションの一戸あたりの平均価格が上がった要因としては、11に月都内で1戸当たりの平均額が2億円を超える高額物件が売り出され、それが完売した。そのため価格が押し上げられ前月の10月と比べると960万円余りも上がったためである。よって一時的に平均価格が上がっただけであり今後の平均価格は5000万円を超える程度と予想されている。
11月に完売した2億円を超える高級物件は152戸で売り出し平均価格は2億6278万円である。金額にして399億4000万円強。同月の新築マンション販売戸数は3496戸からこの物件の全戸数を引いて平均値を出すと5400万円弱。いかにこの物件だけで価格を押し上げたかが分かる。また、この物件の購入予定者の中心は40代から60代で一般的な価格のマンションの購入者と比べ高齢である。このうち実際に住む人は6割程度で残りの4割はセカンドハウス、投資目的等である。そのためマンション購入者の平均値が上がったというよりは富裕層の動きが堅調だったということが分かる。
新築マンションの平均価格が6000万円を超えたためそちらの方が注目されがちだが上記のように一時的である可能性が高い。それよりも順調なのはむしろ中古マンションの方だと言っていいだろう。10月の首都圏中古マンションの売却希望価格は前月比で14か月連続上昇し3197万円である。23区内に至っては4978万円と5000万円に手が届く勢いだ。新築と比べ割安感がなく、むしろ中古マンションの強さが目立つ。こちらは富裕層と言うより購入者の平均値が上がったということが伺えるため一時的に上昇したとは言いづらい。(編集担当:久保田雄城)