日本人の失明原因第1位 「緑内障」を知っていますか
2015年12月14日 14:57
日本人の失明原因の1位である緑内障。視神経に障害が起こり徐々に視野が狭くなる進行性の病気だ。目の硬さである眼圧が上昇することによって起きるといわれているが、明確な予防法はない。しかし眼科医は「早期に発見して適切な治療をすれば怖いことはない」と呼びかける。
以前は「40歳以上の30人に1人が罹患」とされていた緑内障だが、最新の調査によるとその数は「17人に1人」に増加。元々眼圧が高かった人だけでなく正常域の人でも発症例も多くなっているという。
そしてこの病気の1番の問題は、これほどありふれている病気にもかかわらず治療を受けている人が2割程度しかいないということだ。視野の欠損に気づき、初めて受診したときには症状がかなり進行してしまっているという人が後を立たない。
なぜか。片方の目に異常があってももう片方の目で無意識に補ってしまうため、日常生活で精密作業や運転をしていても気がつかないのだ。また、中心視野や視力も保たれるので通常の視力検査でも発見されにくい。
しかし早い段階で緑内障だと分かれば、基本的にはプロスタグランジン関連薬を主とする目薬による眼圧下降の治療を続けるだけで症状の進行を遅らせることができる。一生付き合っていかなくてはならないが、点眼は1日1回で済むことがほとんどで、副作用も非常に少ない。「眼圧下降が緑内障の視野障害進行防止に有効であることはほぼ確実と考えられ、早期発見・早期治療が必要な疾患です」と眼科医は語る。
特に注意するべきは、元々眼圧が高い人と強い近視の人、家族に緑内障の患者がいる人だ。強度近視の人は視神経の構造が脆弱な傾向にあり、開放隅角緑内障になるリスクが正常な人に比べて3倍以上高いといわれている。しかし最近では前述の「正常眼圧」の人や遠視の人、裸眼でもよく見える人の発症も多い。
眼圧を上げないためには、「長時間うつむかない」「スマホなどの画面は20センチ以上離して見る」「首を締め付ける服を着ない」「うつ伏せで寝ない」などがあるが、緑内障の直接の予防策にはならない。やはり「早期発見」しか策はないのだ。
最寄りの眼科で「緑内障の検査をしたい」と言えば、すんなり行ってくれる。視野検査や眼底検査を含み所要時間は2~30分、費用は3割負担で5,000円ほどだ。1年に1度、検査をしてみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)