「ジャパン・ベストニット・セレクション2015」開幕 国産ニットの独自性・企画力を発揮
2015年12月9日 18:16
国産ニット製品・素材の見本市「ジャパン・ベストニット・セレクション2015」がきょう9日、東京国際フォーラムで開幕した。8回目を迎える今回は、59社が参加し、製品から生地、生産技術までニットに関わる全カテゴリーを展示。日本ニットに特化した見本市としての存在感を強めており、開幕直後から多くの来場者で賑いを見せている。あす10日まで。
2年前から実施しているのが、優れたニット製品・技術を表彰する「JBKSアワード」(あす10日発表)。今回新たに経済産業大臣賞を創設した。糟谷敏秀経済産業省製造産業局長は、環太平洋連携協定(TPP)発効後の米国などによる繊維製品の関税撤廃に触れ、「日本の繊維産業にとっては、海外の新規販路開拓に好機となる。ニット産業においても、自社ブランド化などによる独自化・自立化が期待される。経済産業省としても物流や小売りなどにおいて全面的に支援したい」と話した。
出展企業はニット企業34社、カットソー企業13社、生地・素材・靴下・小物企業が12社。独自技術によるダブルフェイスの生地加工を強みとし、前年のJBKSアワードを受賞したバーンズファクトリー(東京)は今回、プリント加工によるジャケットやアウターを展示し多様な表現力をアピールする。米富繊維(山形)は自社ブランド「コーヘン」で有力セレクトなどを中心に販路を広げているが、今回は、“Made in Yonetomi”のタグを付したオリジナル製品を並べた。「今回はあえて「コーヘン」を封印。製造・デザイン力を生かしたODM生産の可能性も探りたい」(同社)という。
また、東京ニットファッション工業連合(TKF)からは、26社の後継者らで構成する青年部が初出展。国内のニット製造が縮小傾向にあるなか、若手ならではの発想やチームワークをPRすることを目的とし、カットソーやジャージ、ポロシャツ素材などを用いたジャケットやTシャツなどの定番商品10点を共同で企画・展示した。
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開会式。(左2番目から)佐藤正樹JBKS実行委員会委員長、糟谷敏秀経済産業省製造産業局長らが出席。 バーンズファクトリーは今回、プリント加工をアピール。 米富繊維は今回、ODM生産のチャネルも広げる。 TKF青年部が初出展。共同で企画・生産した定番アイテム10点は、すべて白。製品のクオリティーを最大限表現したかったという。 TKFにも加盟している中橋莫大小は、ルームシューズブランド「メリッパ」で出展。
■ジャパンベストニットセレクション 公式サイト http://www.jbks.jp/
(編集部)