夢のマイホームに消費者が求める「住みやすさ」提案とは?
2015年12月6日 15:14
住宅金融支援機構が住宅事業者を対象に行った調査によると、住宅事業者が建物の性能で重視する事項については、「省エネルギー性」が90.4%と圧倒的で、その後に「耐震性・耐火性」53.7%、「高耐久性」46.3%と続いた。一方、一般消費者が業者選びで重視するポイントについては、「高耐久性」が66.1%と最も多く、その後に「耐震性・耐火性」54.6%、「省エネルギー性」40.6%と、順位が逆転している。
この結果を見る限りでは、太陽光発電やHEMSなどの省エネルギー性能については、消費者の関心が高いことは間違いないものの、建物自体の耐久性や安全性の方が、購入の決め手となりそうだ。
しかし、実際のところ、建物の耐久性や耐震性能については、各社ともに切磋琢磨しており、技術的にも大きな差はないように思われる。セールスポイントや個々の技術に特徴やメリット・デメリットはあっても、よほどの手抜き業者でもない限り大丈夫だろう。また、太陽光や省エネ性能についても、メーカーによって工夫の違いはあるものの、購入を左右するほどの差はないように思われる。
では、実際のところ、消費者の購入意欲を左右するのは何なのだろうか。
数十年前の日本とは大きくライフスタイルが変わったとはいえ、日本人の家庭ではやはり、家での主役は夫ではなく妻。女性目線、主婦目線にたった「住みやすさ」の良い家が、結局のところ選ばれているのではないだろうか。
例えば、ミサワホーム<1722>では、人気キャラクター・ミッフィーをイメージキャラクターに採用した「ミッフィーの子育てにいいおうち」を展開しており、大収納空間や親子で並んで使えるダブルボウル洗面台など、随所に家族の住みやすさを豊かにする工夫の数々を提案している。ちなみに同事業は2008年度のキッズデザイン賞を受賞している。
また、住友不動産<8830>では「戸建てまるごとリフォーム 新築そっくりさん」というリフォームプランで、古民家や農家住宅をバリアフリー住宅にリフォームして、古い家でも住みやすさを高める提案を行っている。
木造住宅のアキュラホームでも、大容量太陽光発電と住みごこち提案によって、家事と家計にやさしい「太陽を活かす家」を提案している。同商品では、太陽光発電の売電収入により家計の負担を大幅に軽減するだけでなく、家族が自分で管理できるファミリーロッカーや洗濯物をハンガーごとしまえるランドリークロークなどの住む人が豊かに暮らせる住みごこちの提案を取り入れた商品となっている。
住みやすさに関しての考え方は、もちろん、人それぞれだ。家族構成や年代によっても、何が住みよいのか、大きく異なるだろう。高性能や高機能、省エネ性能などももちろん大事だが、消費者目線に立ったものづくり、家づくりをしているかは、家選びの大きなポイントになるのではないだろうか(編集担当:藤原伊織)