小惑星の鉱物資源の所有権と採掘を認める米宇宙法、大統領に送付

2015年11月23日 19:46

米国会は2015年宇宙法(H.R. 2262: U.S. Commercial Space Launch Competitiveness Act)を承認し、19日に大統領へ送付した(プレスリリース法案ハイライト: PDFIGNの記事The Guardianの記事)。 法案では地球外での資源発見者に資源の所有権を認める内容が盛り込まれており、西部開拓を促進した1862年ホームステッド法にもなぞらえられている。 この件について maia 曰く、 2015年宇宙法は小惑星の資源への所有権と商業的利用の権利を米国市民や企業に認めている(WIRED.jpの記事)。 7月18日にはプラチナなど推定価値5兆4000億ドルの鉱物資源を含む小惑星「2011 UW158」が地球から約240万キロの位置を通過するなど、希少金属が小惑星の資源として注目されている。直径45m以上の小惑星は地球の軌道付近に9,000個以上存在する。実際の資源量や採算性は未知数だが、可能性はあるし、探査する価値はある。 しかし、この宇宙法は1967年に発効した宇宙条約や1984年に発効した月協定に抵触する可能性がある。宇宙空間や天体、資源に対し、国家主権的な占有や私的所有権は認められていないはずだ。実際に資源採掘が行われる前に、新たな国際協定が必要なのではないか。

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