40~60代の “新しい大人世代”は「介護予防」「健康向上欲求」の意識が高い

2015年11月17日 10:58

 博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代”と呼び、調査研究を行っている。この調査結果によると、40~60代の変化は、さらに本格感を増しているという。今回の調査結果から、新しい大人世代は、「今の暮らしを保ちたい」だけにとどまらず、「生活を充実させ・楽しむ」ために自身の健康の維持・向上を目指し、介護予防を心がけていることが見えてきたとしている。

 「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」と思う人は、全体の91.1%であり、 60代95.6% 、50代90.5% 、40代87.3%というように、年齢が高いほどその気持ちは強くなっている。また、男女別でみると男性に比べ女性のほうが健康維持欲求は高い傾向にあるようだ。

 「健康を向上させて、生活をさらに充実させたい・楽しみたい」は全体で82.1%であり、年代別に大きな差はない。ただし、男女別にみると、男性の40代77.7%、50代78.4%、60代79.7%に対し、女性が40代83.5%、50代88.0%、60代84.6%と女性の割合が高く、男性に比べ女性の方がその欲求が高くなっているという。

 「健康」がゴールなのではなく、ゴールはあくまで「生活を充実させたい・楽しみたい」であり、その手段としての健康を心がけていることがわかったという。新しい大人世代にとって「健康」は歳を重ねても楽しく充実した生活を送るための手段の一つという気持ちが強くなっているようだとしている。

 一方で、前向きな新しい大人世代においても、相変わらず「介護」という問題は重要なテーマとなっている。50・60代の20%が「現在、介護が必要な家族がいる」と回答しており、男女別でみると女性の方が「介護が必要な家族がおり、自分も介護に携わっている」割合が高くなっていた。

 要介護家族のいる割合は、40代では10.4%だが、50・60代では約20%となっている。やはり介護家族を抱えるのは50代からといえるとしている。とくに「自分が介護に携わっている」割合は女性の60代で9.8% 、50代では12.2%と男性の60代5.8%、50代6.0%の倍近くになっている。  

 また、介護に対する負担について聞いてみると、五大負担(精神的負担、時間的拘束、肉体的負担、金銭的負担、情報の不足)のうち最も高いのは「精神的負担」となった。しかし、その経験からか、自身はなんらかの「介護予防」をしようとしており、60代の「介護予防」をしている割合は83.2%と前向きな意識が伺えるとしている。(編集担当:慶尾六郎)

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