セルフケア健康機器市場 鍵を握るのは自治体?

2015年11月17日 11:11

 矢野経済研究所は2014年の国内におけるセルフケア健康機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比3.2%増の2,295億4,000万円と推計した。

 この調査におけるセルフケア健康機器市場とは、家庭用の健康管理機器、フィットネス機器、健康回復機器、健康治療機器などを対象とする。主な機器として健康管理機器では「電子血圧計」、「電子体温計」、「体重体組成計」、「尿糖計」、「心電計・心拍計」、「歩数計・活動量計」、フィットネス機器では各種機器(トレッドミル、ステッパー、エアロバイク、等)、健康回復機器では「マッサージチェア」、「フットマッサージャー」、「ハンディマッサージャー」、「フェイスケア」、健康治療機器では「電位治療器」、「低周波治療器」、「吸入器」である。なお、医療施設やスポーツクラブなどにおける業務用機器を含まない。

 価格競争や消費税引き上げによる個人消費の低迷が売上伸長に影響したものの、市場全体としては微増傾向で推移した。同社は2015年におけるセルフケア健康機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)を、前年比2.0%増の2,341億8,000万円と予測している。

 このマーケットは歩数計、活動量計等の健康管理機器を中心に、データ管理をスマートフォンアプリ上で行う製品展開が広がっている。この他、ロコモティブシンドローム(運動器症候群、略称「ロコモ」)の予防を主目的とした情報発信や、従業員50人以上の事業所に対して2015年12月から義務化されるストレスチェック制度と関連づけた製品開発なども一部で見られるようになった。

 また、健康長寿社会の実現を目的に、地域の住民を対象とした自治体によるセルフケアプログラムが全国各地で展開されている。健康への取り組みを数値化し、達成度に応じて商品券や地域通貨等に交換する形が一般的な内容となっているが、活動量計等の継続的な利用を促す新しい製品普及モデルとしてセルフケア関連機器メーカーが注力している

 筆者の地元の自治体も、このセルフケアプログラムを実施しており、住民、特に中高年に好評である。こんなところから、今後のマーケットの成長を期待する声も聞かれる。(編集担当:久保田雄城)

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