NYの視点:ECBの追加緩和必至、ユーロ・ドルはパリティへ

2015年11月17日 07:38


*07:38JST NYの視点:ECBの追加緩和必至、ユーロ・ドルはパリティへ

欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は「パリの同時多発テロによる経済への影響は一時的」で、「パリの同時多発テロ後のユーロ圏の景況感を注視していく」との方針を示した。確かに、2001年9月11日の米国同時多発テロ後の米国株式相場も、急落した後で上昇に転じた。ただ、シリア難民問題などを抱えるユーロ圏の課題は「他国に比べ深刻」で長期化する可能性もある。難民問題が欧州の財政、また、現在も低迷している回復を一段と悪化させる可能性も否めない。このため、市場では欧州中央銀行(ECB)の追加緩和は必至と見られている。

欧州は問題が後を絶たない。債務問題は鎮静化したが、今度はシリア難民問題でドイツのメルケル首相、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁、トゥスクEU大統領に圧力がかかっている。

●欧州の混乱
1.ウクライナでのロシアによるクリミア併合
2.ギリシャ債務問題、反緊縮、急進左派連合が政権を獲得
3.スペイン、カタロニアの独立運動
4.ポルトガル議会、緊縮派のコエリョ内閣不信任
5.シリア難民問題

一方、米国での年内の利上げ確率は依然として64%。現時点で、順調に回復が継続した場合、利上げは「ほぼ確実」と見られている。ストラテジストはユーロ・ドルが再びパリティ、つまり1ユーロ=1.0ドルまで下落するとの見通しを示している。シカゴ先物市場のポジションにおいても、投資家、短期投機家のユーロ売りポジションは6月以来で最大となった。

【IMM】

*日本円
ネット・円売り持ち:-66,888(11/10)←円売り持ち:-43,787(11/3)
(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)
(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-142,939(11/10)←ユーロ売り持ち:-134,334(11/3)
(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-15,770(11/10)←ポンド買い持ち:+188(11/3)
(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-9,310(11/10)←スイスフラン売り持ち:-7,035(11/3)
(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-17,907(11/10)←加ドル売り持ち:-19,491(11/3)
(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-52,830(11/10)←豪ドル売り持ち:-38,625(11/3)《NO》

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