15.4%の人がトイレ後に手を洗わず=消費者庁調査
2015年11月14日 22:31
消費者庁がノロウイルスの感染予防を目的として実施した家庭での手洗いに関する調査によると、15.4%の人が家庭でトイレの後に手を洗っていなかった。ノロウイルスは感染者の糞便に含まれており、ドアノブや日用品などを通じて感染するおそれが考えられることから、消費者庁は、トイレの後に必ず手を洗い、ウイルスを洗い流すことを奨励している。
同庁によると、トイレ後の手洗いに関する回答では、「小便後のみ手を洗わない」が7.3%、「大便・小便後に手を洗わない」が5.1%、「大便後のみ手を洗わない」が3.0%で、合計が15.4%だった。
ノロウイルスは、感染者の糞便1グラムあたり数億個のウイルスが含まれており、10~100個の極微量のウイルスを摂取することで感染が成立するとされている。また、ノロウイルスはドアノブや、カーテン、日用品などの環境からも検出され、長期間感染性を維持するとされている。
このため、同庁はトイレの後に必ず手を洗うことで、手に付いたウイルスを洗い流し、環境をウイルスで汚染するのを防ぐことを勧めている。また、食品を食べるときに口から取り入れて感染してしまうことを防ぐため、食事をする前にも必ず手を洗うのがよいという。
今回の調査は、10月23日~27日にかけて、インターネットモニターで、16~65歳の男女を対象に行った。有効回答数は2,000人。
厚生労働省の食中毒統計によると、ノロウイルスによる食中毒は、食中毒患者数の5割を超え、毎年1万人以上の患者が発生している。症状は、おう吐、下痢、腹痛など。健康な人は軽症で回復するが、子供やお年寄りは重症化することもある。