辺野古移設の環境監視等委員への寄付で新ルール検討―中谷防衛相
2015年11月11日 13:04
米軍普天間飛行場の代替基地を名護市辺野古に建設するのに伴う環境保全で、重要な役割を担う「環境監視等委員会」の委員3人が埋め立て受注業者から寄付として計1100万円を受けていた問題で、赤嶺政賢衆院議員は10日の衆院予算委員会の閉会中審査で公平な監視ができるとは思えないと強い疑義を提起し、是正を求めた。
赤嶺議員は「環境監視等委員会は政府に対し環境保全対策などの指導や助言を行う目的で沖縄防衛局に設置されたものだが、仲井眞弘多前沖縄県知事は環境アセス段階で環境保全は不可能としていたので、専門家に検討してもらうからということで埋め立ての承認をした(経緯から)埋め立ての事実上の条件として環境監視等委員会は設置されたといえる」と委員会の役割・責任の重要さを指摘した。
そのうえで赤嶺議員は委員が受注業者から寄付や報酬を受けていたのでは公平性・中立性は信頼できないとし、さらに委員に就任して寄付額が増えているなど、公平・中立を疑う状況がより鮮明になっていることを提起した。
中谷元防衛大臣は「環境監視等委員会の終了後に委員長によるマスコミへのブリーフィングや議事内容要旨の公表などで過去の審議状況を具体的に検証した結果、委員会の役割は果たされていたと認識している」と寄付や報酬が影響した可能性を否定。また「寄付は通常の産学連携の一環で正当なもの」と答弁した。
一方で、中谷防衛大臣は「指摘されるように、委員会審議の公平性・中立性に疑義を抱かれないよう担保する必要がある」とし「代替施設建設関連の受注業者からの委員への寄付金については『次回の環境監視等委員会で新たなルール作りを検討する』ことにした」と歯切れの悪い答弁をし、寄付金を禁止すると断言できなかった。(編集担当:森高龍二)