生活保護世帯、4ヶ月ぶりに減。高齢者世帯は増

2015年11月11日 13:09

 4ヶ月ぶりに生活保護を受ける世帯の数が減少した。厚生労働省の5日の発表によれば、全国で生活保護を受けている世帯は、8月末の時点で前月の181世帯減って162万8724世帯であった。ただし、前年同月では1万8894世帯増加した。生活保護受給者の数も減少し、前月よりも1922人減って216万3356人であった。こちらは3ヶ月ぶりの減少。

 厚生労働省によれば、8月は例年、生活保護を新たに受ける世帯が減少する傾向にあり、今年も新たに受ける世帯が前年よりも約2900世帯減少したとのこと。お盆などの季節的な要因が関係しているという。こうした要因や、今回の減少世帯数が181世帯と微減であったことを鑑みると、生活保護を受けざるを得ない世帯の家計環境が必ずしも改善されたとは言えない状態だ。

 生活保護を受ける世帯を世帯別(一時的な保護停止を除く)に見てみると、最も受給率が高かったのは「高齢者世帯」で、全体の49.3%を占めた。ほぼ、半数が高齢者であるというわけだ。ここのところ「老後破産」という言葉がよく取り沙汰されており、筆者を含む現役世代にとってもこれは決して他人事ではない。生活保護を受けている「高齢者世帯」は前月よりも494世帯、前年同月よりも4万1985世帯増加している。それぞれ、今回の全体の結果よりも大幅に増加している。老後の生活を支えるもので、最初に頭に浮かぶものは国民年金だが、それは一般的に老後の生活を「補助」するものであり、それだけを頼っていては現役時代と同じ水準の生活を送るのは難しいと言えるだろう。「老後破産」を防ぐためには、事前にある程度貯蓄しておくことが必要だ。もちろん、こうした事態を防止するために、政府も何らかの施策を行う必要がある。

 「高齢者世帯」以外では、「傷病者・障害者世帯」が27.4%と次いで受給率が高かった。世帯数は前月よりも588世帯減って44万3151世帯。次いで「母子世帯」が6.5%という結果で、世帯数は前月よりも66世帯減って10万4616世帯であった。(編集担当:滝川幸平)

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