BMWが展示した、究極の“Mパワー”搭載「BMW M4 GTS」

2015年11月10日 15:21

 第44回東京モーターショーが閉幕。このショー発表後に市販されるモデルで気になる車種をピックアップする。BMWは事前アナウンスしていた出展車に無かったスポーツモデルを展示してファンを魅了した。BMW M4 クーペのポテンシャルをさらに高め、力強く、モーター・スポーツに特化した外観とハイ・パフォーマンス・テクノロジーを備えたサーキット仕様のマシン、新しい独自のテクノロジーを体現するニュー・モデル「BMW M4 GTS」である。

 このモデルは、世界で最も厳しいといわれる伝説的なサーキットのニュルブルクリンク北コースで1周のタイム7分28秒という記録を叩き出したクルマだ。このラップタイムは、このスペシャルスポーツの性能を明確に現している。が、同時に、GTSは、他のすべてのBMW Mモデルと同じく公道を快適に走行することもできる。

 「BMW M4 GTS」は、BMWが1986年に初めて生産したBMW M3の生誕30 周年記念として世界700 台限定販売する特別仕様だ。このBMW Mパワーを象徴するモデルのBMW M4 GTS は、これまでのBMW M3 GT、BMW M3 CSL、BMW M3 GTS、BMW M3 CRT といったスペシャルモデルの系譜を継ぐスポーツモデルとして、BMW Mブランドのキャラクターと、先鋭化し感性に強く訴える至高のドライビングエクスペリエンスが味わえるはずだ。

 BMW M4 GTSは、BMW M3/M4と同じ3リッターの直列6 気筒エンジンを搭載し、そのうえで革新的なウォーター・インジェクション・テクノロジーを採用して出力を大幅にアップさせている。最高出力は500ps(368 kW)、最大トルクは61.2kg.m(600Nm)に達する。増大した出力にもかかわらず、燃費は12.0km/リッター(8.3リッター/100km)でBMW M4 クーペと同じ省燃費性能を維持している。

 BMW M4 GTSのパフォーマンスは、0-100km/h加速をわずか3.8 秒で達成し、最高速度は305 km/h(リミッター作動)。このハイパフォーマンスをもたらしたのは、細部にわたるライト・ウエイト構造だ。BMW M のエンジニアは、インテリジェント・ライトウェイト構造を追求することで、車重を1510kgまで削減する。パワー・ウェイト・レシオは3.0kg/psいう卓越した数値を得た。

 トランスミッションは、2ペダルの7速Mダブルクラッチ・ギヤボックス(MDKG)を標準装備。の伝達を中断することなく走行状況に応じた最適のギヤを選択して、そのパワーをリヤホイールに伝える。必要に応じてパドルスイッチ、あるいはギヤセレクターを使ってマニュアル・シフト操作をすることもできる。

 エクスクルーシブなデザインのアシッドオレンジ塗装のスタースポークMアロイ・ホイールは鍛造製で、ハイグロス研磨仕上げが施される。このホイールに、フロント265/35 R19、リヤが285/30 R20の前後異径のミシュラン・パイロット・スポーツカップ2タイヤを装着する。

 ストッピングパワーのチューンにも抜かりはない。軽量設計のMカーボン・セラミックブレーキのプレッシャーポイントは、明確に定義されており、サーキットにおけるスポーツ走行時に生じる限界付近での連続的な高負荷のもとでも優れたブレーキング性能を維持するという。

 フロントマスクには、BMWの特徴である左右4灯のコロナリングを備えたヘッドライト。このライトには最新のLED 技術とBMWセレクティブビーム(眩惑防止機能付きハイビーム・アシスタント)およびアダプティブ・コーナリングライトが組み合わせ最良の路面照明を提供する。また、GTS は量産車として世界で初めて、テールライトに革新的な有機LED(OLED)テクノロジーを採用した。光源の形状が「点」であるLEDと違い、OLED は「平面」であり、均一に発光させることのできる新しい光源だ。平面状の素子はわずか1.4 mmで、かつ個々の発光モジュールを個別に制御できるため、光の演出の自由度が高く、最高の精度が発揮できるという。これによりリヤの幅広さをテールライトが強調し、エクステリアの印象を一層強くアピールする。(編集担当:吉田恒)

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