ドライバーは純正ナビより、市販ナビに満足?

2015年11月10日 10:19

 J.D. パワー アジア・パシフィックは2015年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査の結果を発表した。

 この調査は最近2年間(2013年4月~2015年3月末)に市販据え置きナビゲーション(ナビ)を購入したナビユーザーを対象に行われた。

 調査はナビに関する総合的な評価を4つのファクターに基づいて算出している。それらは「ナビゲーション機能(42%)」、「音楽/映像機能(21%)」、「操作性(20%)」「モニター(17%)」となっている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。これらのファクターにおける複数の詳細項目に対する評価を基に総合満足度(1,000点満点)を算出した。

 2015年度のユーザーの総合的な満足度を示すインデックス(総合CSI)の業界平均スコアは533ポイントとなり、昨年と同じ、また2013年と比べて1ポイントの改善となった。純正ナビゲーションの満足度の平均である521ポイントよりも高い。

 ファクター別にみると、「ナビゲーション機能」は昨年の525ポイントから変動はなく、「音楽/映像機能」で3ポイントの向上で538ポイント、「操作性」で6ポイント向上し519ポイント、「モニター」で7ポイント低下し565ポイントとなっている。

 購買時における事前の情報収集に関して、市販据え置き型ナビゲーションの購買層は純正ナビゲーションと比較してより積極的だ。「事前にナビに関する何らかの情報を見聞きした」割合が、市販据え置き型ナビゲーション購買層は77%と純正ナビゲーション購買層に比べて22%高い。

 更に参考情報源として、「ナビメーカーの公式ウェブサイト」と答えた割合は25%、「口コミ・レビューサイト・SNS」は21%、「店頭ディスプレイ」は25%となり、純正ナビゲーション購買者に比べて、各々7%、 5%, 10%高い割合となっている。

 現在使用しているナビゲーションの満足度と次回購入意向をみると、次回も同じ「市販据え置き型ナビゲーション」を購入すると回答した層の満足度が552ポイントと最も高く、純正ナビゲーション(ディーラーオプション)と回答した層では535ポイント、純正ナビ(標準・MOP)の場合で514ポイントとなっている。特に、高い満足度(800ポイント以上)を有しているオーナーの72%は、次回も「市販据え置き型ナビゲーション」を購入するとしている。

 2015年度の顧客の総合的な満足度を示すインデックス(総合CSI)において、アルパイン<6816>ビッグXシリーズが前年より16ポイント向上の589ポイントとなり、4年連続で第1位となった。ビッグXは、全ファクターにおいてポイントが向上し、「操作性」以外では、10ポイント以上の高い伸びとなった。

 2位はパイオニア<6773>サイバーナビで昨年より6ポイントの向上の555ポイント、その中でも「ナビゲーション機能」ファクターで10ポイント、「操作性」ファクターで12ポイントの改善がみられた。第3位には544ポイントでケンウッド<6632>のMDVシリーズとなった。

 純正ナビゲーションは、今後安全装備等の新技術を取込みながら、自動車全体の操作性との一体化が更に進んでいく傾向にあり、市場に占める割合も増えていく可能性がある。

 今回の調査では、総合的な満足度は、純正ナビゲーションを上回った市販据え置き型ナビゲーションだが、その魅力である個性的な商品特性をどのように訴求し、市場全体におけるポジションを強化していくのかが今後、重要になってくるのではないか。(編集担当:久保田雄城)

関連記事

最新記事