カンヌ映画祭グランプリ、映画『サウルの息子』アウシュヴィッツを舞台に人間の尊厳を問う話題作
2015年11月9日 18:40
第68回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品『サウルの息子』が、2016年1月23日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開される。
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舞台は、1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。主人公のサウルは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する特殊部隊「ゾンダーコマンド」で働くハンガリー系ユダヤ人だ。
ある日、サウルはガス室で生き残った自分の息子とおぼしき少年を発見する。少年はすぐさま殺されてしまうが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬しようと収容所内を奔走する…。
カンヌ映画祭初コンペティション出品にして、初グランプリ受賞。そんな快挙を成し遂げたのは、『ニーチェの馬』で知られる名匠タル・ベーラの助監督をしていた38歳のハンガリー出身のネメシュ・ラースロー監督。本作は、ネメシュ監督の祖先のホロコーストでの実体験をもとに描かれている。
「本作では若い世代に戦争の歴史を語ることが大切と考え、彼らに届くように新しい撮り方を試みました」そう監督が語るように、主人公のサウルにのみピントを合わせた、観客の想像力をかきたてる独特の描写にも注目したい。
「最期まで“人間”であり続けるために」。ハンガリーの気鋭監督が過酷な強制収容所を舞台に人間の尊厳を問う、衝撃のデビュー作。