次々と新倉庫をオープンさせるコストコの強さとは

2015年11月7日 21:34

 コストコホールセール・ジャパンは、11月20日岐阜県羽島市に新倉庫をオープンする。日本から、仏・カルフールや英・テスコなど外資小売大手が撤退する中、コストコは1999年福岡に一号店をオープンして以来、着々と出店を続け、現在は23の倉庫を擁する。今後、日本において50店まで店舗を拡大するとも言われている。その強さの秘密はどこにあるのだろうか。

 以前より店舗が増えたせいか、あなたの周りにもコストコ好きの女子が増えたのではなかろうか。高速道路を降り、店舗に入るとまず目にするのは、飛行機の格納庫のような巨大スーペースに天井まできっしりと積まれた商品群である。家電から高級ブランドのバックやアクセサリー、洋服、そして海外サイズのままの輸入食料品と実に多彩な商品と物量に驚かされる。休日の昼間ともなるとレジは人であふれ返り、

 「ママ友」と呼ばれる若い女性グループも目立つ。彼女達にとってコストコは買い物する場所でもあるだけでなく、一緒に遊び行く場所としても確立されているようだ。また海外と同じ仕様のコストコは、旅慣れた人にとって旅を再体験できる場所でもある。そして一昔前の旅行さながら知人から「買ってきて」と頼まれたおみやげまで購入する。レジを通れば、次はフードコート。売られている巨大ホットドッグやピザは割安でソフトドリンクは、日本では珍しいフリードリンク制である。多くの顧客は、そこで買い物に疲れた体を休め、最後にもう一度ソフトドリンクを汲み車内で飲みながら帰るという。

 コストコは、有料会員制で4000円の年会費を払う上、一年ごとに更新手数料がかかる。会員になった以上、元を買い物で取りもどさねばならないとの心理が働き、彼女達にとってコストコに通う事が生活の一部となり、食べきれないほど詰まった冷蔵庫は、次にコストコへ行く日まで計画的に消費されていく。

 こうした人々は、自らを「コストコ通」と呼びブログやソーシャルネットワーク、料理投稿サイトを通じて情報を発信する。マスメディアへの広告を一切行わないコストコは、顧客による「口コミ」が主な宣伝の媒体である。

 「買い物も楽しく、友達とも仲良く、さらにお洒落なライフスタイルを発信したい」という人達が日本におけるコストコの大きな顧客層である。しかし、「食生活が豊かになり過ぎ、お洒落から遠ざかっている」という声も聞く。そのせいか売り場にはダイエット食品も大量に陳列されていた。ともあれ、日本においてコストコは、まだ飽和状態とは言えない。今後、出店を加速させるに従い売上・利益共に増加すると思われる。(編集担当:久保田雄城)

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