医薬品業界の特許資産規模のトップ3はROCHE、BOEHRINGER INGELHEIM、ロート製薬

2015年11月5日 11:21

 パテント・リザルトは、独自に分類した「医薬品」業界の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「医薬品業界 特許資産規模ランキング」をまとめた。2014年4月1日から2015年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、企業ごとに総合得点を集計した。

 特許資産の規模とは、企業が保有する特許(特許庁から特許登録が認められ、失効や権利放棄されていないもの)を「特許資産」としてとらえ、その総合力を判断するための指標。特許1件ごとに注目度に基づくスコアを算出した上で、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせ、企業ごとに合計得点を集計した。注目度の算出には、特許の出願後の審査プロセスなどを記録化した経過情報などを用いている。

 その結果、1位 F. HOFFMANN LA ROCHE、2位 BOEHRINGER INGELHEIM INTERNATIONAL、3位 ロート製薬となった。以下、NOVARTI、塩野義製薬、BAYER INTELLECTUAL PROPERTY、大鵬薬品工業、久光製薬、第一三共、ポーラファルマと続く

 1位のF. HOFFMANN LA ROCHEの注目度の高い特許には、「C型肝炎ウイルス感染の治療薬」や「哺乳動物細胞における副産物の少ない抗体の産生方法」に関する技術などが挙げられる。2位のBOEHRINGER INGELHEIM INTERNATIONALは、「DPP-4阻害薬と、メトホルミン塩酸塩などのパートナー薬の多剤混合薬(FDC)を含むFDC製剤」に関する技術などが注目度の高い特許として挙げられる。3位のロート製薬の注目度の高い特許には、「コンタクトレンズが眼に及ぼす影響を軽減するためのコンタクトレンズ用装着点眼液」や「非イオン性SHCLへの脂質吸着の抑制、イオン性SHCLへの花粉タンパク質蓄積の抑制」に関する技術などがある。

 前年から10ランク以上順位を上げた国内企業には、塩野義製薬、大鵬薬品工業、第一三共、ポーラファルマが挙げられる。塩野義製薬は「P2X受容体が関与する疾患または状態を治療するのに有用な化合物」、大鵬薬品工業は「加湿条件下でも安定なテガフール、ギメラシルおよびオテラシルカリウムを含有する経口投与用医薬組成物」、第一三共は「分割性に優れるレボフロキサシンの高含量錠(クラビット(R)錠)」、ポーラファルマは「白癬症の治療、特に爪白癬症に有用な抗真菌外用医薬組成物」に関する技術などが注目度の高い特許として挙げられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)

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