コミュニケーションのあり方は“文字”から“映像”の時代へ スマホでの写真や動画の利用が増える
2015年11月5日 11:21
総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、2013年には32.0%だったスマートフォンの利用率は2015年には62.3%と、この2年でほぼ倍増し、スマートフォンを通じ、場所や時間を気にせず情報の収集や発信を行うことは珍しいことではなくなった。そこで、JTB総合研究所は、「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2015)」を実施した。調査は、生活者の日常、および旅行の場面でのスマートフォンの利用実態について2013年より年1回の調査を実施し、その変化と新たな動きを捉えたもの。
まず、スマートフォンでよく利用するものについて質問をしたところ、メールや電話の利用はそれぞれ83.0%、74.3%と多いものの、2014年の結果より減少した。一方、LINEなどのメッセージ・チャットアプリやFacebook、Twitterなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、まとめサイト、ニュースアプリなどは増加傾向が見られた。
また、まだ割合としてはそれほど高くないが、画像投稿サイトの利用が昨年の6.7%から12.5%と倍増している。具体的にどんなサービスを利用しているかを聞いた質問では、「LINE」は男性の50代60代、女性の40代50代での利用が大きく増え、若い世代が使っていたものが、熟年層まで広がってきた。また、「Instagram」は13.9%と昨年の5.7%と2倍以上の伸びを見せたが、特に女性の29歳以下と30代に41.7%、27.2%と支持されている。男性の29歳以下では「ニコニコ動画」が支持を伸ばした。「Facebook」は微減となった。
また、スマートフォンでの利用が減少傾向にある「電話」だが、電話をかけることについて、利用者はどのように感じているのか。プライベートで電話をすることについて聞いてみたところ、最も多い回答は「用事が早く済む(71.3%)」だった。リアルタイムでやり取りができることから、その場で意思決定をしたい場合などに利用されているようである。
女性では「声がきけると安心できる、嬉しい」も比較的高くなった。一方、電話のデメリットとしては「かけてもよいタイミングがつかみにくい(30.1%)」「文章の方が相手の都合を気にしなくてすむ(25.8%)」「文章の方が気楽にできる(19.4%)」などが挙げられた。特に女性では電話より文章を好む傾向が強いようである。このような背景から、電話の利用が減少傾向にあるのかもしれないとしている。
そして、スマートフォンで利用するアプリは「地図(78.4%)」「天気予報(69.8%)」「乗り換え案内(67.5%)」がトップ3だった。性年代別にみると、女性は「レシピ」の利用も多く、また29歳以下の女性では「画像・動画加工」、29歳以下と30代女性では「フリマ」アプリの利用も比較的高くなった。(編集担当:慶尾六郎)