三省堂問題「けしからん」不快感露わ―馳浩文科相
2015年11月1日 18:15
馳浩文部科学大臣は記者会見で、三省堂が来年度から中学で使用する英語教科書の検定期間中だった昨年8月に全国の公立小中学校の校長ら11府県の11人を都内のホテルに招待し、文部科学省で検定中の教科書を見せ、感想を聞いた後、全員に謝礼金として現金5万円を渡していたことについて「けしからん」と不快感を露わにした。
馳文部科学大臣は「教科書選定に疑念を生じさせかねない行為」とした。馳大臣は「関係者以外の閲覧を禁止している検定申請本を(編集会議と称する場で招待した11人に)閲覧させた。これに加え、開催時期や参加者(の顔ぶれ)など、採択を勧誘しているとの疑念を生じさせかねない形で(編集会議が)開かれ、昨年度の報告の際に、意図的な報告漏れがあった」と断じた。
馳大臣は「教科書はすべての児童・生徒が学校の授業や家庭での学習活動で使う極めて公共性の高いもの。教科書作成のいずれの段階においても公平性・透明性が担保されることが不可欠」と強調し、「三省堂に本件に対する詳しい報告と再発防止への改善を求める公文書を出し、指導を行う」と語った。また、「業界に対し公平性・透明性を確保するため万全を期すよう要請する」とした。(編集担当:森高龍二)