うがい、手洗い、免疫向上。風邪に負けない身体をつくる。

2015年11月1日 18:23

 冬が近づくにつれ、街なかでマスクを着用する人が目立ち始めている。昼夜の寒暖差が激しい季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れがちになり、風邪やインフルエンザなどの病気にもかかりやすい時期だ。今年はとくに例年よりも気温が低いせいか、茅ヶ崎の小学校では早くも9月にインフルエンザの流行が確認されており、学級閉鎖が発生している。マスクだけでなく、普段からの自衛を心掛けたいものだ。

 インフルエンザはもちろん、風邪も決して軽視できない。超高齢化社会に突入した日本にとって、風邪は身近な疾患であると同時に、もっとも注意すべき病の一つといえる。高齢者は、風邪にかかりやすく、治りにくく、重症化しやすい。高齢者たちの集まる老人ホームなどの施設ではとくに、風邪やインフルエンザの予防や対策が重要な課題となっている。

 風邪やインフルエンザを防ぐには、病原菌やウイルス、異物などから体を守る「免疫」の力を高めると良いということは広く知られているが、近頃、食品で免疫力を高める方法が注目を集めている。

 例えば、長いものヌメリに含まれる「ムチン」は、細胞の材料となる栄養素「たんぱく質」の分解を助ける成分だ。毎日補給することで、免疫を高めることができる。また、糖質の代謝に不可欠な栄養素「ビタミンB1」の働きを助ける「硫化アリル」という成分を豊富に含んだニラは、体内に入った栄養素をエネルギーとして効率よく燃やす働きがある。

 また、免疫力を高める食品として最もよく知られているのが生姜だろう。生姜の辛みの源「ジンゲロン」には、食中毒予防に使われるほど、強い抗菌作用があることが知られている。この抗菌作用で、大腸菌のコロニー形成を抑制するなど、体の内部を清潔、正常な状態に保ってくれるのだ。さらに香りの源である「ショウガオール」という物質には、酸化防止作用があることが知られており、体の酸化を防ぎ、病気になりにくい体を作ってくれる。

 最近の研究では、酵素分解ローヤルゼリーの飲用による免疫力向上効果も報告されている。酵素分解ローヤルゼリーとは、ローヤルゼリーの中のタンパク質をあらかじめ酵素で分解し、細かいペプチドにしたもので、ミツバチ産品の製造販売で知られる株式会社山田養蜂場の独自技術によってつくられている。同社の研究によると、酵素分解ローヤルゼリーの継続飲用により、口腔内の感染防御の役割をもつ唾液中のIgAが増加し、ウイルスなどに対する粘膜のバリアが強化されることが分かった。

 さらに同社では「山田養蜂場 みつばち研究助成基金」にて弘前大学大学院の助教の研究を助成し、ブラジル産プロポリスが、人の体に備わっている抗ウイルス機能を維持しつつ、ウイルス感染時の過剰な炎症反応を抑えて体の組織を保護する可能性を持つことを、培養細胞を用いた試験で確認している。その成果は、英国の学術誌“Journal of the science of food and agriculture”にて発表されている。

 これからの季節、流行が予想される風邪やインフルエンザ。負けない体をつくるためには、今からきちんと、うがいと手洗いを励行し、免疫を高める食品の摂取を心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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